SF小説から将来起こりうるリスクを学ぶことができるのでは?
最初に手に取った一冊は、
巨大な太陽フレアによって変電設備が破壊され、
3年以上復旧の目処が立たない状況を描いた、
かつて日本の夜空にも赤いオーロラが現れたことがあるが、
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藤原定家「明月記」のオーロラ(20/09/16)
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日本最古の天文記録はオーロラ/片岡龍峰「日本に現れたオーロラの謎」(21/02/19)
もし現在、同じことが起きたら?
物語に描かれた大停電後の世の中の変化は以下のようなもの。
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人工衛星の故障によりGPSが使えなくなる。航海士は六分儀を使って星の位置から現在地を把握する。
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ATMでお金がおろせなくなるが、銀行窓口で認証情報を暗号化してSDカードに入れ、出金元の銀行に郵送する方法で復旧。
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メディアは短波放送のラジオだけが生き残る。通信復旧の過程で映像データは容量が大きいためテレビは後回し、インターネットの復旧(テキストベースのメール)が優先される。
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電話は防災無線・アマチュア無線を使って、無線の免許をもった交換手が会話を取り次ぐ公衆電話が設置される。
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証券市場の再開の目処はたたない。取引所は自家発電で動かせるが、参加者が極めて限られる状態で市場を開くわけにはいかない。
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物流がストップするため、日本は食料自給率の低さが問題となる。
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極寒の北国では暖房が使えない冬場は温泉地に疎開する。
またこの物語の中では日本は対策を取れず、大停電に至ったが、
被害を最小限に抑えるためにできたかもしれない対策も紹介される。
衛星からの警報が地上に届いてから一時間以内に、
発電所を強制的に停電させて、変電所まで電流がいかないようにする。
一般的に大きな太陽フレアは太陽の黒点数が多い時期に発生しやすい。
景気循環との謎にリンクする(黒点数が少ない時期に経済危機?)こともあり、
定点観測しているデータが手元にあるので見てみると、
黒点数の増減の周期は約11年と言われ、直近の底は2019年末から2020年初め。
するとピークに達するのは2025年頃かな。
とここにメモ書きしていても、停電したら振り返ることができないんだよね。。。
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