断片的に伝わるイスラエルに関するニュースに違和感を覚え、
ゴールデンウィーク中にイスラエル関連書を読んでみた。
結局、モヤモヤから逃れることはできなかったが、
新たな視点を得られた一冊は、「イスラエルvs.ユダヤ人」。
イスラエルのアラブ系国民は約190万人で、人口の20%強を占める。
しかしユダヤ人のパレスチナ人に対する人種差別的な振る舞いは、
かつて世界的に非難された南アフリカのアパルトヘイトと同じもの。
アメリカやフランスで暮らすユダヤ人の中には、イスラエルに幻滅し、
このままでは反ユダヤ主義を助長しかねないと危惧する者が増えている。
本書のタイトル通り「イスラエルvsユダヤ人」という構図になりつつ。
苦難の歴史を経て、ついに国家建設に至ったことや、
欧米から見て中東で唯一、政治・経済的に近い存在であることから、
イスラエルは守らなければならない国という共通認識だと思っていた。
世代の移り変わりとともに、こうした意識も変わりつつあることを学んだ。
(著者はフランス在住のユダヤ人。父との考えの違いも本書に描かれる。)
イスラエル関連の気になる直近ニュース
何回目の首相就任なのか分からないが、
2023年初めにネタニヤフがイスラエル首相に就任。
政権発足早々、司法制度改革を宣言し、
- 最高裁の決定を議会が過半数の賛成で覆す
- 最高裁の法律審査権を大幅に制限
- 裁判官の選定に政府の意向を反映する
という、いわゆる三権分立を崩壊させようとしている?
3月には改革に反対する国防省が解任されたことで、
大規模な抗議デモやストライキが発生して国内は大混乱。
3月27日にネタニヤフは法案審議の1ヶ月間凍結を発表。
そろそろ1ヶ月経つがその後、どうなっているのか分からない。
また2月にイランのウラン濃縮度が83.7%に達したとの報道を受け、
ネタニヤフはイランに対して軍事行動も辞さないとコメント。
90%を超えると核兵器に転用可能。その前に攻め込むつもり?
こんなようなニュースを受けて、
中国・台湾問題よりもこっちが先に危なくなるのでは?
ロシア・ウクライナ紛争よりも経済に与える影響が大きいのでは?
投資家として心構えが必要だなと考えはじめている。
でもトランプ前大統領の時に、なんじゃそりゃ?な外交政策があっても、
とくに何も起きなかったし…(ホルムズ海峡がらみで危機はあったが)
- 2017年12月 エルサレム首都宣言・アメリカ大使館のエルサレム移転
- 2018年5月 イラン核合意からの離脱
- 2019年3月 ゴラン高原におけるイスラエルの主権認定
コメント