東日本大震災後に様々な書籍が出版され、数多く手に取ったが、
日本人著者が語るとどうしても主張が偏りがちになる(特に原発問題)。
なにか部分ばかりで全体が見えなくなってしまうような違和感がある。
客観的・中立的な視点で伝えられるのは外国人の特権なのだろうか。
震災を振り返り、今後の日本を考える上で読んでおきたいのが、
前者はフィナンシャル・タイムズの元東京支局長。
大きな危機からの復活が日本史の特徴と考え、黒船来航後から歴史を振り返る。
政治家はもちろん被災地住民や村上春樹、東条英機の子孫に至るまで、
多種多様な生の声を集めた取材力、それをまとめた編集力に感銘を受けた。
後者はマサチューセッツ工科大学教授でMIT日本研究プログラム創設者。
震災発生から約2年間の日本国内で飛び交った情報を
政府や省庁、都道府県発表の資料はもちろん、新聞、雑誌の記事まで拾い上げ、
「安全保障」「エネルギー政策」「地方自治体」の3つのテーマでまとめている。
震災から6年ちかく経過し、あの頃受けた衝撃は残念ながら薄れつつある。
当時の想いや考えを完全に取り戻すことはできないが、
客観的な視点で書かれたこの2冊は忘れてはいけないものを思い出させてくれる。
※オマケでこれは読んで良かった! 外国人が日本を綴った本リスト
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