たまたま見つけた「本の雑誌(2025年3月号)」。
特集記事「私はこれで書きました。」が読んでみたかったのだ。
作家のみなさんが現在、どんなツールで原稿を書いているのか?
以下のような構成になっている。
- 北方謙三さんへのインタビュー
- 6名の作家による寄稿
- 編集者3名による座談会
- 11名の作家へのアンケート
最初に登場する北方謙三さんは、パソコンでは言葉が出てこないと語る。
「万年筆を持つとペンだこに当たるでしょ。脳に小説中枢というのがあるとすれば持った瞬間につながるんですよ。」
小説脳がオンになれば、下書きも修正もなしに淀みなく書けるとのこと。
原稿用紙1,500枚書いて、無駄にしたのはお茶をこぼした1枚だけ。
これは職人芸!と驚かされた次は、スマホで執筆する町屋良平さん。
自分だけの認識を突き詰め、小説と一体化するには、スマホなのだと。
ただし眼精疲労や首のこりに悩まされているとのこと。
両極端の手法が紹介された後は、一般人にも参考になりそうな話が続く。
- キングジムの「ポメラ」…ノートPCのように電池が切れず、うっかりネットサーフィンで遊んでしまったりしないのがいい。(芝村裕吏さん)
- 東プレの高級キーボード「REALFORCE」…気分が重くなる内容の本を翻訳していても、キータッチがこの上なく快適で気にならない。(村井理子さん)
- Microsoft Excel…ミステリ執筆にあたりシーン表(セリフ・説明・描写)を作成。ストーリーの俯瞰や伏線作業が快適。(酒本歩さん)
- Visual Studio Code…プログラミング開発環境に小説のための拡張機能「novel-writer」を自作。品詞ごとの色分け機能や縦書きプレビュー等を搭載。(藤井太洋さん)
- 一太郎…日本語を縦書きするなら一太郎!と編集者に好評。ルビを振っても行間がずれないところを高評価。
- Microsoft Word…鈴木輝一郎さんは小説の執筆に向いていないと断言。このほかにもWordへの不満を語る作家さんが何人か。
- ワープロ…シャープの書院(北村薫さん)、富士通のオアシス(新井素子さん)。懐かしい!
私も電子書籍を製作する時は「一太郎」を使っている。
でも一番目を引くのは「VS Code」。そんな使い方があるのか!
AIと対話しながら文章を作っていく時代に入りかけているから、
VS Codeベースの執筆アプリが登場してきそうな予感。
それとも現在不人気のWordがCopilot搭載で評判回復か?
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