昨日から読み始めた対談本。
このおふたりの組み合わせなら、おもしろくない訳がない。
語源の話についてメモメモ。
まず英語の「港」”port“の語源に着目し、
「”port”という言葉はヨーロッパの交易の核心だけでなく民族と民族、都市と都市、物品と商品をすべて含むコミュニケーションの根本をあらわしているんです。」
- 輸出入や出入国をあらわす”import””export””passport”という言葉が創られている。
- 港で一番大事なものが「重要」”important”の語源になっている。
- このほかにも”report(報告する)”、”support(支える)”、”rapport(親密になる)”
それに比べると日本は海に囲まれた国なのに、
「海」や「港」から言葉はあまり広がっていかない。
その理由を白村江の戦いに敗れて以降、都が内陸化したことにあると指摘。
では日本語で特徴的な言葉は何なのか?
それは「家」なのだという。
“state”も”country”も「家」の要素はないのに「国」の「家」。
日本の歴史は「公家」と「武家」の相互補完により成り立っており、
「イエ社会」「ムラ社会」という話ではなく、根本が「家」の国。
それぞれの「家」ごとに伝承的な技能を持っていて、
それを次の時代を受け渡すための集団が「家」である。
公家と武家が伝承を担った分野には次のようなものがある。
- 公家…和歌、蹴鞠、筆道、華道、日本料理、衣装、雅楽、神祇、相撲、文章
- 武家…武術、茶の湯、能
ちなみに日本で最初に「国家」という言葉を使ったのは聖徳太子。
十七条憲法の第4条に
「群卿百寮、礼をもって本とせよ。それ民を治むるの本は、かならず礼にあり。上礼なきときは、下斉わず、下礼なきときはもって必ず罪あり。ここをもって、群臣礼あるときは位次乱れず、百姓礼あるときは国家自ら治まる。」
群臣たちに礼が保たれていれば、社会の秩序は乱れないし、
百姓に礼があれば国がおのずと治まる、と説いている。
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