ケビン・メイニー「トレードオフ」

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この本は「上質さ」と「手軽さ」のトレードオフ(二者択一)の観点から、
ビジネスの成功と失敗を解き明かした本。単純明快で分かりやすい。

上質 =経験+オーラ+個性

愛されはするが、必要とはされない。

手軽 =入手しやすさ+安さ 

多くの人に必要とされるが、愛情の対象ではない。

でも、上質と手軽、両方を極めようと幻影を追い求めると失敗する。
・手軽さが強みの企業が、利益率を高めるために、上質さを追求し、
・上質さが強みの企業が、成長率を高めるために、手軽さを追求し、
これまでに失敗してきた企業の事例が紹介されている。


日本企業って「上質」な製品・サービスを構築するのって、苦手だよね。
当初は高級ブランドの位置づけだったんだけど、
人気が出てきて、たくさんのお客さんから欲しい、と言ってもらえると、
同じ価格でたくさんの人に届けなきゃ、ってけなげに頑張っちゃう。
そうすると、この本で言うところの「上質」と「手軽」の間のブランドになってしまう。

欧米の企業なら、人気が出たら、販売数を増やさず、価格を上げて、
うまく「上質さ」を保とうと、戦略的にコントロールするものだけど…。
というと、「日本には戦略がない!」と自虐ネタに走る人が多いけど、
これが日本人の真面目さ・優しさの裏返しだったりするから、否定しちゃダメ。
長所は短所の裏返し、その逆も同じことをお忘れなく。

トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか
(2010/07/06)
ケビン・メイニー(著) ジム・コリンズ(序文)
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コメント

  1. 矢向 より:

    おぉ~ トレードオフを読まれましたか。
    ちょっと自分も気になっている一冊です。