ホイジンガ、カイヨワの「遊び」の定義

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人間文化の起源をたどれば、すべて「遊び」にたどり着く。

そう解き明かした古典的名著、

を読み返してみようと思い立った。
なんとなく遊びと今の社会を読み解くヒントがあるような気がして。

手元にメモしてあるホイジンガ、カイヨワの遊びの定義をまとめておくと。

ホイジンガの遊び

ホイジンガは遊びの形式的な特徴として、以下の5つを示した。

  1. 自由な行為(命令された遊びは遊びではない)

  2. 仮構の世界(ありきたりの生活の埒外)

  3. 場所的時間的限定性をもつ(定められた時間と場所の範囲内で行われ、終わるもの)

  4. 秩序を創造する(規則が犯されると同時に崩壊する)

  5. 秘密をもつ(小さな秘密を作ることで魅力を高める)

ロジェ・カイヨワの遊び

ロジェ・カイヨワは遊びの基本的な定義として、以下の6つ示した

  1. 自由な活動(強制されないこと)

  2. 隔離された活動(あらかじめ決められた明確な空間と時間の範囲内に制限されていること)

  3. 未確定な活動(ゲーム展開が決定されていたり、先に結果が分かっていたりしてはならない。)

  4. 非生産的活動(財産も富も、いかなる種類の新要素も作り出さないこと。遊戯者間での所有権の移動をのぞいて、勝負開始時と同じ状態に帰着する。)

  5. 規則のある活動(約束ごとに従う活動)

  6. 虚構の活動(日常生活と対比した場合、二次的な現実、または明白に非現実であるという特殊な意識を伴っていること)

今の社会に潜む遊び

上記のような遊びの定義は、今の経済社会に見え隠れしていて、

  • ルールを守って(ホイジンガ4、カイヨワ5)
  • 自由に競争をする(ホイジンガ1、カイヨワ1)
  • あらかじめ結果が予測できる競争は不正なのでルールを見直す(カイヨワ4)

共産主義がうまくいかなかったり、今の中国が嫌われたりするのは、
遊びの定義を逸脱してしまっているからではないかなと。

ホイジンガ「ホモ・ルーデンス」とカイヨワ「遊びと人間」の2冊は、
昔読んだ時はむずかしくて、おもしろい表現を拾っていただけだから、
もう少し目的を持って読み直してみようかなと。

ホモ・ルーデンス (中公文庫 ホ 1-7)
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遊びと人間 (講談社学術文庫 920)
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