スティーブン・K・グリーン「グッド・バリュー」

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著者はHSBCグループの会長。
大学では哲学を学び、牧師の資格を保有する、不思議な経歴の持ち主。
原書が昨年、話題になっていたし(→FT Business Book of the Year 2009)、
私、HSBC(ADR)に投資しているので、翻訳が待ち遠しかった一冊。

正直なところ、一度読んだだけでは、とても消化しきれない。
古今東西あらゆるものに精通する、ってこういうことか、と圧倒される内容。

グリーン氏は、失われた市場への信頼を取り戻すには、

企業価値はビジネスを行う際の価値観に基づいている。資本主義は価値観を企業価値に結びつけることができるようでなければならない。」P163

と説き、持続可能な企業価値の最大化については、

顧客との良い関係と献身的な従業員は収益の伸びにとって不可欠である。地域貢献は顧客関係を豊かにし、人材開発を促進する。持続可能な利益は人々と地域への投資を強化する。・・・持続可能な利益と企業の社会的責任は対立するものではない。これらは相互依存的なものである。」(P193-194)

と語っている。
企業価値というと、割引率とか当てにならない数字のゴニョゴニョの話になりがち。
でもグリーン氏は全編にわたって、様々な角度から価値観の重要性を説いている。
企業だけではなく、私たち個人個人の価値観にも言及していて、とても深い。

ただ、もう少し読みやすく翻訳できなかったのかな? とちょっと残念。。。

グッド・バリュー―社会人に求められる“価値観”とは グッド・バリュー 社会人に求められる“価値観”とは
(2010/07)
スティーブン・K. グリーン
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