株式投資を本業とし、余裕ができる時間を読書に充てれば、
「博学者」や「知の巨人」への道が拓けるかも?
なんてことを密かに思ってから10年以上が経過しているが、
橋にも棒にも引っかからず、単なる趣味人どまりのままだ。
ピーター・バーク「博学者 知の巨人たちの歴史」は、
15世紀以降のヨーロッパの博学者たちの肖像をまとめた一冊。
印刷術、安価な紙、インターネットと新たな技術が現れるたび、
手に入れることができる知識の量が増大することで、
多くの分野に関心を寄せる博学者は危機にさらされてきた。
- 15世紀、印刷機の発明による出版物の増加。知識の断片化にどう向き合うか?という課題が発生。多くの博学者がレオナルド症候群(多くの計画に手を付けながら、ほとんどは未完)だと批判されるように。
- 19世紀、蒸気印刷機の発明と木材パルプ製の安価な紙の登場により、書物の価格が押し下げられ、発行部数が増大。知識の爆発的な増加に伴い、学術分野の専門化が進む。博学者はより少数派になるが、一方で専門分化の行き過ぎによって、全体を俯瞰する視座を持つ者が求められた面も。
- 21世紀、インターネットの普及とともに、情報の過剰供給の時代へ。情報を知識に変換する時間さえも惜しまれる。図書館の館長、大学の学長は、幅広い知識を持つ学者ではなく、経営者が求められるように。しかし過度に進む専門化の時代において、私たちは博学者をこれまで以上に必要とするはず。
日本語版は2024年に出版されたが、原書は2020年出版。
わずか数年の間に状況はさらに変化しているように思える。
悲しいかな、生成AIと会話していると結構、博学なんだわ。
AIと比較した時の、博学者とは? 知の巨人とは?
すでに次なる問いが浮上している。。。
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