年末にまとめる「読んだ本と振り返る○年」シリーズ。
昨年は人の最も外側、宇宙(物理学)に関心を寄せたけど、
今年は反転して、人の最も内側、脳と心が気になった。
とくに衝撃的な一冊となったのが、
私たちは脳に騙されているのかもしれない。
意識が生じるまでには0.5秒間の脳活動が必要なのだから。
ユクスキュルが「環世界“Umwelt”」という概念で示したとおり、
私たちが「客観的」だと信じている、この目に映る世界は、
世界全体から「主観的」にある一部分を型抜きしたものにすぎない。
しかしその「主観」すらも脳が作った「幻想」かもしれない。
脳科学や進化心理学の他の著作からも、そんなことが読み取れた。
「夢うつつ」をしきりに詠った平安歌人はある意味、先進的かも?
そしてやはり経済学の探求には、脳と心の知見が不可欠なのだろう。
こうした脳の仕組みはおそらく「食」にも影響する。
「おいしい!」と感じる判断基準は、味そのものだけではなく、
おいしさを共有できる人の存在がとっても大切なのだ。
もっと言えば人の心は「縁」しだいで善にも悪にもなる。
これは鎌倉時代の禅僧、道元が説いたことだ。
私たちの意志を離れて気ままに動く、脳や心の仕組みを知ることで、
経済の潮流をつかんだり、より幸せに生きるコツが見つかるかも?
2013年はそんな流れにのって、読書を進めていたのだった。
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