日本人は「武士道」や「茶道」など「道」を付けるのが好き。
「道」の来歴をたどれば中国へ行き着く。
道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生ず
(老子42章)
「道」は「一」以前の現象・存在であり、
古代中国において宇宙の原理の中心にある概念だ。
だいたいこんなような思想に「道」は見え隠れしている。
- 無為自然を説く老荘思想
- 仙人的な生き方に憧憬する神仙思想
- 易や陰陽五行を背景の原理にした陰陽思想
- 占星術者や予言者などの神秘思想
- 地勢を占う風水思想
こうして辿って行くと、難しすぎて「道」に迷いそう。
ふと見つけたのが「論語」の孔子と弟子のやり取り。
子日く、参や、吾が道、一を以って之を貫く。
曾子曰く、唯。
子出づ。門人問うて曰く、何の謂ぞ。
曾子曰く、夫子の道は忠恕のみ。
孔子が「我が道は終始一貫して変わらない。」と語るのを受けて、
「師匠の道はまごころなのだ」と弟子が理解する、という話。
まごころをもって貫き通した足跡に「道」ができる。
そんな捉え方をすれば「道」の思想も、なるほどな感じ。
コメント
いい文章です。感動した。
私は、高等学校の数学教員をこの3月に退職します。
趣味でyogaを37年間、公民館で教えています。
「一以貫之」は私の人生のテーマのひとつです。