ここ数年、ほとんど小説を読んでいなかった。
でも最近、親しくしている人から強く薦められたのと、
作者の百田さんがテレビのインタビューで、
「1つの作品を書くために約300冊の参考図書を読む。」
と話していたのを聞いて、心が動いた。
タイトルの「0(ゼロ)」とは、戦闘機・零戦のこと。
主人公・宮部久蔵は零戦パイロットで終戦直前に特攻で亡くなる。
その孫が戦友への取材を通じて、祖父の人間像に迫る物語。
- 妻への愛ゆえに周囲に迎合せず、命の尊さを訴え続け、
- その想いは生き残った戦友たちに受け継がれる。
という点が感動のポイント。
そして戦争中の過酷な運命に抗い、生に執着した人物が、
なぜ特攻で亡くなるのか?という謎が読者の心をつかんで離さない。
「日本は戦後、素晴らしい復興を遂げました。でもね、それは、生きること、働くこと、そして家族を養うことの喜びにあふれた男たちがいたからこそやと思います。ほんで、この幸せは宮部さんのような男たちが尊い血を流したからやと思います。」P297
正直、この頃の人々の想いに、今の私たちは敵わない。
国土も狭く、天然資源もない我が国は「人」次第だから、
経済はじめ様々な面で、日本はお休みの時代なんだろうね。
敗者復活の折り返し地点が見えるまでは。。。
そして本当の愛ってなんだろう?
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