今、話題の書「置かれた場所で咲きなさい」。
タイトルになるほど!と勝手にすべてを理解したつもりになり、
同じ著者の他の本を一冊、ということでこの本を読んでみた。
1973~2003年に出版した9冊の本からの名文セレクション。
私のお気に入り、瀬戸内寂聴「生きることば あなたへ」と同形式。
「今という瞬間は、今を先立つ私の歴史の集大成であると同時に、今をどう生きるかが次の自分を決定するということです。人生は点のつながりとしての一つの線であって、遊離した今というものはなく、過去とつながり、そして未来とつながっているわけです。」P231
スティーブ・ジョブズの”Connecting the Dots”を思い出す。
時と心の間を出入りする偶然や運命の作用により、
過去・現在・未来が常につながっているかは疑問だけど、
今この時の大切さは「徒然草」で兼好法師がくり返し説いたこと。
そして、今を大切にするということは、とりもなおさず…
「最初の出逢い以上にたいせつなものは、同じその人と、絶えず新たに出逢うということではないだろうか。馴れてしまわないということ。一期一会の心構え、緊張感と言ってもよい。」P32
人との出会いにおいて一期一会の精神を忘れないことだよね。
いつも新鮮な気持ちで人と向き合うには、
この人のことをもっと知りたい、一緒にいたい、って想いが不可欠。
「愛するということは、愛し続けること以外のなにものでもないとすれば、長い付き合いをするためには、お互いが知らない部分というものが、または、理解し得ない部分というものがなければならないのではないでしょうか。」P192
人と人とが完全に分かりあえることはない。
寂しいことだけど、これこそが「秘すれば花」や「未完の美」の領域
すべてを打ち明けることが、親密度の高さの証ではないのかもね。
「愛」なしに世界を読み解くことはできないと悟ったのはここ2,3年のこと。
あの頃から、私の立ち位置はゆらぎっぱなしで、訳が分からない。
「心に一点の曇りもない日など、一生のうちに数えるほどしかないのだ。心の中が何となくモヤモヤしている日のなんと多いことだろう。"にもかかわらず"、笑顔で生きる強さと優しさを持ちたいと思う。」P108
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