脳科学

お薦めの本

現実と仮想の混同はすでに脳内で…/池谷裕二「夢を叶えるために脳はある」

脳科学者、池谷裕二さんの新刊「夢を叶えるために脳はある」。 高校生向け講義シリーズ3部作の完結編。 前作はブルーバックス創刊50周年記念イベントでもらって読んだ。あれから10年以上も経ったのか。 記憶...
脳と遺伝子の探求

セロトニン運搬遺伝子と日本人の可能性

橘玲「スピリチュアルズ」を読み進める中で(←この本おもしろい!)、以前読んだエレーヌ・フォックス「脳科学は人格を変えられるか?」について、重要な部分を読み落としていたことに気が付き、たしかめた。 お気...
お薦めの本

道を見つける力を手放し、海馬を鍛えなくなった人類の未来は?

スマホとGoogle Mapがなかった頃、とにかくよく道に迷った。子供の頃から記憶力には自信があったので駅前の地図をスキャンして、後で戻って来られるように、目印となるものを記憶しながら目的地を目指す。...
兼好法師「徒然草」

偽ブランドは嘘つきのはじまり/池谷裕二「脳はすごふる快楽主義」

脳科学者の池谷裕二さんが最新の論文を紹介するエッセイ集。第3巻の「脳はすごふる快楽主義」を読んだ。 このシリーズは実に面白く、前2巻で印象的だった論文もメモを残している。 心が通じ合うとは、相手の言葉...
お薦めの本

お気楽人間の遺伝子と脳の秘密?/エレーヌ・フォックス「脳科学は人格を変えられるか?」

軽やかに生きているように見えるがその秘訣は? そんな風に問われて過去にまとめた人生観を読み直した。 私の人生観(13/06/22) 意外にもいま振り返っても、追加・修正する必要がなくて上出来。私が後に...
お薦めの本

心が通じ合うとは、相手の言葉が予測できること?/池谷裕二「できない脳ほど自信過剰」

脳科学の論文を紹介したコラムをまとめた 池谷裕二「できない脳ほど自信過剰」 このなかで一番興味深かったのは、「気が合う」を科学的に解明しようとする研究者の論文。 Speaker–listener ne...
脳と遺伝子の探求

脳の進化にまつわる誤解。ポール・マクリーン「三位一体脳モデル」の間違え。

デイビット・J・リンデンの「 脳はいいかげんにできている」。 ふと同じような話を昔読んだことがあるような?と調べていたら、 脳の見方に関するありがちな間違えに気付かされた。 脳は3段アイスのようなもの...
脳と遺伝子の探求

フライングの脳科学。人は何秒で反応できるか?

織田一朗「時計の科学」を読んでいて、ふと気になる記述があった。 「国際陸連がフライングの規定を「1000分の100秒」に設定した根拠は、生理学の古典的な論文の「人間が外的刺激を感知し、大脳が判断して、...
脳と遺伝子の探求

脳や遺伝子の解析が進むと刑法はどう変わるのだろう?/バーバラ・オークレイ「悪の遺伝子」

労働法の授業中に「ウォール街のランダムウォーカー」に夢中で単位を落とし、危うく卒業できなくなりかかった過去を持つ私だか、一応は法学部出身。 脳や遺伝に関する本を読んでいると疑問に思うことがある。 構成...
お薦めの本

懐かしの味は香りの記憶/伏木亮「味覚と嗜好のサイエンス」

土瓶蒸しの松茸の話から引き続き、香りと脳科学について調べている。伏木亮「味覚と嗜好のサイエンス」にこんな記述があった。 「においの記憶は確かで変質しません。味は舌から延髄、大脳各部位といくつも神経を乗...
脳と遺伝子の探求

サヴァン症候群・共感覚と私自身の謎

最近、共感覚に興味を持って下記のような本を読みあさっている。 ダニエル・タメット「ぼくには数字が風景に見える」 ジェイソン・パジェット「31歳で天才になった男」 岩崎純一「音に色が見える世界」 リチャ...
脳と遺伝子の探求

脳は不平等な方が安定し、サッカーは均質な方が強い。

昨日に続き、池谷裕二「脳はなにげに不公平」より。本書のタイトルの元となった、2013年に著者が発表した論文、 Inter pyramid spike transmission stabilizes t...
お薦めの本

性善説が科学的に証明された?/池谷裕二「脳はなにげに不公平」

池谷裕二「脳はなにげに不公平」。脳科学者が最新の論文を紹介しながら書いたエッセイ集。 かなり面白かったのでいくつか紹介していこうと思うけど、まずは古代より続く「性善説vs性悪説」が科学的に決着?という...
生物と生命の不思議

ホヤの不思議。「進化=脳の発達」ではない!

進化ってなんだろう? そんな疑問が生じてしまうホヤの生き方。 How Humans Learn: Lessons from the Sea Squirt ホヤは生まれて最初にすることは終のすみかを探す...
食文化と美食探訪

香りが味わいを決める!?/美味しさの脳科学

秋の味覚といえばやっぱり松茸! 松茸にまつわる日本史については以前紹介した通り。 松茸文化は飛鳥・奈良時代の森林破壊の恩恵?! そんな松茸がなぜ最高峰の食材なのか? 脳科学からそれを読み解いた一冊が、...
お薦めの本

経済学に脳と心は必要か?

人は合理的に意思決定する。 伝統的な経済学はこんな仮定からはじまっている。 ごく簡単にまとめると、 人は限られた資源(お金と時間)の中で、 将来について統計的に正しい予想を立て、 自己の利益を最大化す...
お薦めの本

記憶が「心」をつくる/池谷裕二「単純な脳、複雑な私」

先日、ブルーバックス創刊50周年記念の講演会が開催された。 登壇者はブルーバックスから近刊の著書を出版された 宇宙物理学の大栗博司氏 脳科学の池谷裕二氏 大栗氏の著書は以前紹介したことがあるので、 科...
脳と遺伝子の探求

記憶はどこにあるのか?/福岡伸一「動的平衡」

この世は無常迅速。 日本の古典でたびたび語られてきたことだ。 はかなし/日本人が人生を発見したことば 無常が日本の古典を美しくした/唐木順三「無常」 最近、身体の外側だけでなく内側も無常迅速であると知...
お薦めの本

意識は幻想/「神々の沈黙」から「ユーザーイリュージョン」へ

ユクスキュル「環世界"Umwelt"」。 すべての生物は知覚の枠内でしか世界を認識できない。私たちが「客観的」だと信じている、この目に映る世界は、 世界全体から「主観的」にある一部分を型抜きしたものに...
お薦めの本

バイキャメラル・マインド(二分心)の衝撃

連塾最終回で「ゆらぎと創発をめぐる科学のための5冊」と題して、 松岡正剛氏が選んだうちの1冊、ジュリアン・ジェインズ「神々の沈黙」。 途中まで読んだけど「バイキャメラル・マインド」、すさまじい仮説だ。...