100ページで思想家「現代新書100」。ショーペンハウアーを100円で読む。

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9月13日創刊の講談社現代新書の「現代新書100」。
今こそ読まれるべき思想家を100ページでまとめるシリーズだ。

創刊前の先行配信で、梅田孝太ショーペンハウアーが、
電子版100円キャンペーンだったので、さっそく読んでみた。

思想家を取り扱った書籍は、難しくて途中で眠くなったりして、
読了まで何日かかかると、最初の方を忘れてしまいがち。
この本は簡潔にまとめられていて、一気に読み終えられるのがすごくいい。

私が読んだショーペンハウアーの著作は、
30歳前後の十数年前に手にした「幸福について」だけ。
たまに再読もしており、最近もこんな記事をまとめている。

でも、ショーペンハウアーがどういう思想家で、
この「幸福について」が、どんな位置づけの一冊なのか分かっていなかった。

「ショーペンハウアー哲学は、西洋の伝統に根ざしながらも、その中心思想に西洋思想史上初めて古代インド哲学や仏教思想を取り入れた哲学であり、いまや世界中で読者を獲得し、いわば世界哲学としての地位を得た稀有な哲学なのである。」

またショーペンハウアーが記した人生論は、

  • 主著「意志と表象としての世界」…欲望を追い求める意志を否定するための求道の哲学

  • 晩年の書「余録と補遺」…意志の否定を前提に、心穏やかに生きるための処世術

という位置づけで、
「余録と補遺」の中に収録されるのが「幸福について」。

「『幸福について』に最もよく表現されている晩年のショーペンハウアーの思想は、〈処世の哲学〉として特徴づけることができるだろう。若き日の〈求道の哲学〉は、俗世を逃れて「意志の否定」という無の境地を彼方に求め、身を賭して完全なる自己放棄を目指す、求道の哲学だった。これに対して晩年の〈処世の哲学〉は、「意志の否定」という真なる認識をあらゆる物事に応用し、もはや欲望に惑わされることなく堂々と俗世を闊歩する、老練なる処世術なのである。」

なるほどそういう位置づけだったのか!

このシリーズ、NHK「100分 de 名著」の思想家版みたいで重宝しそうな感じ。

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