ドイツで出版され100万部のベストセラーとなった哲学エッセイ。
この本の素晴らしさは「間」(ま・あいだ・はざま)の立ち位置にある。
入門書と専門書の間
偉大な哲学者の書いた本はぜんぜん分からない。興味がわかない。
入門書は理論を分かりやすく翻訳しただけで読後に頭が哲学しない。
でも、この本は古今東西の哲学者をテンポよく紹介しながら、
私たちの日常や現代社会の問題を織り込みながら話を展開する。
ハンパなく頭を刺激され、学びたいことが増えた。この感じが嬉しい。
たぶん次のような私の問題意識とうまく重なったんだろうけど…
哲学と科学の間
著者は最新の科学(脳科学や生物学)を哲学的に考察しようと試みる。
「自然科学なき哲学」と「哲学なき自然科学」のどちらも不毛であると。
生物医学でジャーナリズム賞を受賞した実績がこれを可能にしたんだね。
私は投資や経済を一途に追いかけて、大学院へ行った時期もあった。
その結果、絶望的に足りないものを感じて、いろいろ考え方を変えた。
論理と数字の積み上げがメインで、人の心が感じられなかったのだ。
(このブログで投資の話題をやめ、違う路線に挑戦してる理由でもある)
今日、専門家や1つの分野に専念することがとても重視されている。
その結果、大局観を失い、「想定外」ばかり連呼しているのでは?
どんなに「知」が細分化されようと、哲学を見失ってはならない。
そんな哲学の大切さを認識させてくれる逸品。これはオススメ!
歴史上の哲学者というとドイツ人が多かったっけ? さすがはドイツ。
でも副題を「挑発する21世紀のソクラテス」とした日本の出版社もすごい。
そして、これだけ読みやすく仕上がったのは翻訳家の腕の良さのおかげ。
今年読んだNo.1.おすすめ本を「食の終焉」からこの本へ変更♪
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