「なぜ美人ばかりが得をするのか」はおもしろい本だった。
たしかに美しくなければ生きていけない。でも美しさってなんだろう?
そんな疑問のはてに、20世紀前半に100人超の女性を描いた
長谷川時雨(1879-1941)の名著「近代美人伝」に辿り着いた。
(岩波文庫では上下巻で9人ずつ18人を描いたエッセイを抽出)
時雨が讃えたのはもちろん、見かけの美人ではない。
美学をもって生きた女性の人生のなかに「美」を見出していた。
女性の地位向上に尽力した時雨らしい切り口とも言えるけど、
やはり美学のような内面の美しさが外側にも現れるものなんだろう。
「空の麗しさ、知の美しさ、万象の妙なる中に、あまりにいみじき人間美は永遠を誓えぬだけに、脆き命に激しき情熱の魂をこめて、たとえしもない刹那の美を感じさせる。美は一切の道徳規矩を超越して、ひとり誇らかに生きる力を許されている。」(序文より)
内容はもちろん文章がとても美しいからオススメしたいけど、
とても残念なことに、現在絶版でなかなか手に入らない。
私はAmazonの中古本を買ったよ。岩波書店さん、復刊よろしく!!!
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