歴史家はどのように歴史像を描くのか?

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エドワード・ハレット・カー「歴史とは何か」に登場する、
歴史とは現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話
という文章を目にして、投資家の思考と似ているなと感じた。

そんな流れで歴史家の思考法に興味を持って調べていたら、
東大教養学部の1,2年生向けの歴史学のテキストと出会った。

ここに歴史家が史料を用いて、どのようにして歴史像を描いているのか、
その作業手順を以下の4ステップにまとめている。

  1. 過去への「問い」:自らの何らかの関心にもとづいて、過去に対する問いを立てる。
  2. 事実の認識:関連する資料を通じて、過去の諸事実を認識(特定・確認)する。
  3. 事実の解釈:その諸事実を組み合わせ、その時代における意味を考える(解釈する)ことによって、歴史の部分像を描く・・・作業2、3を繰り返す・・・
  4. 歴史像の提示:歴史の部分像をつなげ、最初の問いに答えるような、より全体的な歴史像を描き、オリジナルな成果として論文・書籍などの形で発信する。

投資家の場合は過去を現在・未来へ、歴史像を企業像へ読み替える感じかな。
過去を未来に読み替える時点でなんじゃそりゃ?となるけれど(笑)、
まず自らの関心にもとづいて問いを立てる、という出発点はいいと思う。

「次はこれが流行りそうだから」みたいな短絡的な乗っかり方だと、
長期にわたって興味を持ち続けることが難しいから、
うまくいったとしても株価が少し値上がりしただけで手放しがち。
同じテーマに真摯に向き合った投資家は大きな利益を手にするはず。

「歴史学の対象となりうるのは、過去の事実のすべてではなく、認識可能な事実に限定されるということになる。そしてその存在を前提とした上で、実際に認識された事実が、事実の解釈の対象となるのである(要するに「すべての事実>認識可能な事実>認識された事実」となる)。」

だから歴史の定説は一度定まったらそれで完了するのではなく、
歴史像や事実認識、解釈の更新に伴い変化するものなのだ。
学生の頃に習った内容と微妙に記述が変わっているのはこのため。
同じように投資家も未来像や事実認識、解釈を更新し続けることが大事。

このように生涯にわたり学び、考え続けるのが投資家の生業だから、
株式投資で“FIRE(Financial Independence and Retire Early)”
という軽いノリに、どうにもモヤモヤするのだった。

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