アンドリュー・ローの「適応的市場仮説」。待望の日本語訳!

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今から11年前、ピーター・バーンスタインの遺作「アルファを求める男たち」で、
アンドリュー・ローという人物が、
Efficient Market Hypothesis(効率的市場仮説)に代わる、
Adaptive Market Hypothesis(適応的市場仮説)を提唱していることを知った。

しかし当時は英語の情報しか存在せず、嘆きの記録を残している。

それが遂に日本語で読める! 600ページを超える大ボリュームで!

なぜ私がこれに興味津々かと言えば、
効率的市場仮説が、

「株価はすべての入手可能な情報を完全に反映する」

という仮説だからだ。

より具体的に言えば、入手可能な情報をすべて反映しているのなら、
アナリストやファンド・マネージャーは不要であり、
ゆえにインデックス投資以外はすべて無意味ということになる。

易きに流れるのが人間の性だから、これに乗ってみたくなるのは仕方ないが、
合理的経済人を基礎にした経済学の理論が、行動経済学によって修正が図られているように、
効率的市場仮説にも代わる理論が必要なはずだ。

まだ半分程度しか読み進めることができていないが、
適応的市場仮説の核となる5つの重要原理がP272に示されているのでメモ。

  1. 私たちは常に合理的なわけでも常に非合理的なわけでもない。私たちは進化の力によって特徴や行動が形作られる生物学的存在である。
  2. 私たちの行動にはバイアスがあり、私たちは一見すると最適でない意思決定も行うが、過去の経験に学び、否定的なフィードバックに応じてヒューリスティックスを見直すことができる。
  3. 私たちには、先を見据えた「もし~なら」分析をはじめとする抽象的思考、過去の経験にもとづいた未来予測、環境の変化に対応する準備を行う能力がある。これは思考の速さで進む進化であり、生物学的な進化とは異なるが、まったく別物というわけではない。
  4. 金融市場のダイナミクスは、私たちが行動や学習を行い、周囲の人々や社会、文化、政治、経済、自然の環境に適応する際の相互作用によって形成されるものである。
  5. 生存こそが競争、革新、適応を促す究極の原動力である。

効率的市場仮説が数学的・物理学的アプローチの仮説に対し、
適応的市場仮説は生物学的アプローチで市場に迫る理論と言えるだろう。

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