2年前にも読んだ20世紀を代表する思想家の名著。
でもすべてを理解できたかというと微妙。
昨年秋にアレントを主人公にした映画が公開されたことで、
最近、注目されているらしく、こんな本が出版されていた。
- 仲正昌樹「ハンナ・アーレント『人間の条件』入門講義」
これを参考に再読を進めている。
アレントは「労働・仕事・活動」が人間の基本的条件であり、
「活動とは、物あるいは事柄の介入なしに直接人と人との間で行われる唯一の活動力であり、多数性という人間の条件、すなわち、地球上に生き世界に住むのが一人の人間manではなく、多数の人間menであるという事実に対応している。」P20
そしてローマ人の言葉(ラテン語)の例が紹介される。
- 生きる=inter homines esse(人々の間にある)
- 死ぬ=inter homines esse desinere(人々の間にあることをやめる)
この本が出版されたのは1958年。
当時アレントが懸念していた未来は、
人間が自ら生み出した技術についていけなくなること。
「技術的知識という現代的意味での知識と思考とが、真実、永遠に分離してしまうなら、私たちは機械の奴隷というよりはむしろ技術的知識の救いがたい奴隷となるだろう。」 P13
つまり人と人の間に「技術」が介入してしまえば、
もはや死んだも同じ、ってことなのかな。
結構、心当たりのある話だよね。
そして「技術的知識の救いがたい奴隷」って、
なんとなく「金融」っぽい雰囲気。「原発」もそうか…
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