近藤信緒「人に好かれる法」

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誰にでも「人に好かれたい」という思いがある。

だからこそ人間関係を論じた本が多数出版されている。

「多すぎて選べないからオススメの本を」とねだられ悩んだ。

本屋で平積みされる近刊書は、基本的に内容が薄っぺらい。

古典には読み頃があるから、積極的に薦めるものでもない。

そんな中、ふと思い出したのが今日の一冊。

戦前・戦後に女性起業家(出版業)として成功した著者、

近藤信緒の「人に好かれる法」。

約60年前(1949年出版)に50万部売れたベストセラー。

長所だとうぬぼれているものがかえって短所であり、短所だと思っていることが長所かもしれないのである。」P42

短所ゆえに人から好かれることが多いもの。

よっぽど悪いものでなければ、無理に治そうとする必要はない。

長い間に自然と成長した自分の持ち味、性格というものは一朝にして変えることはできないものだ。無理に変えようとすれば、残りの半生はまったくその修養のために費して、ようやく性格・気質が変わった頃にはあの世にいかなければならない。」P44

欠点を長所として活かす道を考えた方がいいってことだ。

とはいえ戦略的に人に好かれようなどとしてはいけない。

人に好かれようとか、信用を得ようとか思う前に、まず真心を持って相手の真心を引き出し、お互いによい面だけを伸び伸びと出し合うように努力し合えば、必ずお互いのなかに美しい関係が生まれてくる。」P61

愛は真ん中に心があるから真心、恋は下に心があるから下心。

そんな男女関係を表す漢字はよくできているのかも。

われわれに何もかも見通す力があるのならば、信用などという言葉は必要もない。漠然としてわからないものを、だいたいの見当をつけて、およそ間違いはないであろうと決めて、任せることが信用なのである。・・・信ずるこころと疑う心とはまったく相手の心を温めもし冷やしもする。」P180

私が投資家だからかな、信じるってある意味「賭け」だよ。

疑って身の安全を保つより、信じて裏切られた方がいい。

それぐらいの気持ちがないと、何もはじまらない。

誰にでも期待する心があり、大なり小なり、好奇心を持たないものはない。どうなるか、どうなったか、なんだろう、どうしてだろうと絶えずその心は振動しているものだ。そうした気持ちを常に満足させられることは快感であり、一つの幸福である。」P143

そして好奇心いっぱいの人がそばにいるとワクワクする。

だから私も興味を持ったら、純粋に追いかける人生でありたい。

人に好かれる法
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コメント

  1. より:

    >愛は真ん中に心があるから真心
     恋は下に心があるから下心
    それぞれの漢字のもつ意味を
    適切に表わしている表現だなと思いました。
    >近藤信緒の「人に好かれる法」
    この本の名前、初めて知りました。
    このブログに紹介されている言葉だけでも、
    気になる言葉がたくさんあったので、
    今度読んでみようと思います。