思いのほか快速でノロウイルスを撃退し、選挙も無事投票。
でも昨日の「いい会社をふやしましょう」のシンポに欠席は無念。
これで私にとっての2012年はほぼ終わりかな。
そんなわけで毎年恒例の読書のまとめでも書いてみることにした。
「思い描いた未来」と「やがて起きる現実」との溝が埋まらない。
金融危機や3.11後の原発事故などで「想定外」を連呼するばかり。
「偶然」や「運命」の捉え方がおかしいのだろう、というわけで、
昨年に引き続き、下記のような本を読みつつ、
- ダンカン・ワッツ「偶然の科学」(12/02/05)
- イアン・ハッキング「偶然を飼いならす」(12/05/21)
今年は物理学にも足を踏み入れてみた。
- 佐藤勝彦「相対性理論を楽しむ本」(12/06/26)
- 大栗博司「重力とは何か」(12/07/03)
- ハイゼンベルク「部分と全体」(12/08/02)
経済の分野はニュートン力学の絶対安定の世界観に留まっている。
物理学ではハイゼンベルクが不確定性原理で新たな世界観を示し、
またアインシュタインの相対性理論を私なりの言葉に変換すると…
この世界は誰から見ても変わらない「絶対的」なものではなく、
見る人の立場によって「相対的」に変わるもの、ってとこかな。
この世界が「見る見られるの関係」の中で記述されるものならば、
確率・統計によって偶然を飼いならしたつもりの私たちは、
「技術的知識の救いがたい奴隷」(by ハンナ・アレント)なのだ。
- ハンナ・アレント「人間の条件」(12/10/11)
リスクを分散・分配し、本質的な危険から目をそらすことで、
社会と人間のあいだに君臨しているはずの偶然を排除する。
こうして必然的に、
- 何がリスクなのか把握することができない
- リスクの責任の所在が分からない
- リスクが顕在化したときの補償をしきれない
といった混乱に直面しているのが現代社会の問題点。
上記のような流れを整理しようと書いてみた記事が2つ。
- リスク管理社会の変遷と本質(12/10/13)
- 未来が現在・過去を評価するのだから…(12/10/24)
またこうして読書の分野を広げていった結果、
すべての学問は数学と哲学に収束されるのでは?と。
こんな考えの過程で出会った本が、
- リヒャルト・D.プレヒト「哲学オデュッセイ」(12/05/04)
- 「数学者の哲学+哲学者の数学」(12/09/17)
前者は最新の科学を哲学的に考察したエッセイ集、
後者は数学者と哲学者の対談集でどちらも読みやすい。
この2冊が私が2012年に読んだベスト書籍♪
コメント
先日は久しぶりにお会いできて、嬉しかったです。
私も2012年に読んだ本のまとめをしましたが、まろさんとは、傾向があまりにも異なる(私の方がレベルが低い)ので、逆に参考になります。
2013年もよろしくお願いします。
本にレベルの高低はそんなにないと思いますよ。ただ岩波文庫に関しては頭一つ抜け出している印象があります。どれを読んでも良書なのが凄い。
あとレバレッジ君さんはビジネス書がお好きだと思うので、
「TOPPOINT」 http://www.toppoint.jp/
って月刊誌オススメします。
毎月10冊、新刊書を一冊当たり4ページに要約する、というものです。
ではでは、今年もよろしくお願いします。次なる講演会開催に至ったら、またぜひおこしください。