橘玲「スピリチュアルズ」を読み進める中で(←この本おもしろい!)、
以前読んだエレーヌ・フォックス「脳科学は人格を変えられるか?」について、
重要な部分を読み落としていたことに気が付き、たしかめた。
セロトニントランスポーター遺伝子(セロトニン運搬遺伝子)について。
人の幸福感には神経伝達物質のセロトニンが関係しているとされ、
セロトニントランスポーター(セロトニンを運搬する遺伝子の型)が、
長ければ(L型)幸福感が高く、短ければ(S型)抑うつ傾向が現れやすい。
そしてS型の人の割合が8割を超える国は日本だけで飛び抜けて多い。
- 日本…S型81%、L型19%
- アメリカ…S型43%、L型57%
エレーヌ・フォックスの以下の記述をきちんと頭に入れておかねば、
だから日本がダメなのか?という話になってしまう。
「セロトニン運搬遺伝子は「逆境に弱い」遺伝子や「楽観の」遺伝子であるというより、仮にそれが「何かの」遺伝子であるとすれば、「可塑的な」遺伝子だと考えるのが妥当だろう。セロトニン運搬遺伝子の発現量が低い人はまわりの環境に影響されたり反応したりしやすく、そのため、すばらしい環境や支援に恵まれればそこから大きな利益を引き出せる。だが、虐待を受けたりまわりから支援を得られなかったりしたときは、深刻な負の影響を受けることになるのだ。」
「可塑的な」の意味が分からなくて読み飛ばしてしまったのだと思う。
粘土をこねて、成形するようなイメージだ。
日本人の心は環境次第で良い方にも悪い方にも大きく振れやすいということ。
また、ささいな変化に敏感だから、花鳥風月を愛でる文化が生まれた、
と考えると、この傾向は和歌を詠み始めた時代には定まっていた?
そうだとすると、やはり伝統文化に違いを生むヒントがあるということか。
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