令和が梅なら、次は桜にまつわる元号を!

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桜と月に関する日本の古典を編集して本にした時、
万葉集の梅から古今集の桜に関心が移る過程を簡単に紹介した。

「古代の日本で「春の花」と言えば「梅」だった。いつごろ日本の関心が梅から桜へ移っていったのだろうか。和歌の世界では8世紀中頃に完成した万葉集では桜より梅の歌が多く(桜は42首、梅は127首)、古今和歌集(905年)になると春の主役は桜に変わっている。また今も変わらず京都御所の紫宸殿に花を咲かせる左近の桜は、9世紀頃に元々は梅だったものを桜に植えかえたものらしい。こんな経緯もあって、雛飾りには「桜橘」が定番となっている。」

万葉集内の桜と梅の和歌の数を比較していた時、
梅の花をめでる宴で歌われた和歌が32首も固まっているのを知り、
そりゃ数が多くなるよね、と思った部分が「令和」の由来だった。

ちなみにこの一文に続けて、このとき私は以下のようにまとめている。

「桜には豊作の祈りを込める春の花、という意味合いがあることを紹介したように、中国由来の梅よりも、日本に自生する桜が好まれたのかもしれない。この梅から桜への関心の移ろいに、衝動的に外来文化に飛びつく日本が自立意識に目覚める過程の原点と言えるかもしれない。」

だから元号が中国の古典から離れたことが話題になっているけど、
梅が由来となると、まだ中華風味が残っているように感じてしまう。
そして次の元号はぜひとも桜由来で!と楽しみになってしまうのだった。

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