菅正広「マイクロファイナンス」

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マイクロファイナンスって知ってるかな?
2006年にノーベル平和賞をとった、バングラデシュのムハマド・ユヌス氏が、
グラミン銀行ではじめた事業、って言えばピンと来るよね?

ちなみにこの本の著者によるマイクロファイナンスの定義は、
「担保となるような資産を持たず金融サービスから排除された貧困に苦しむ人びとのために提供する少額の無担保融資や貯蓄・保険・送金などの金融サービス」(P34)

無担保・少額ローンというと、消費者金融を想像しちゃうけど全然ちがう。
借り手について詳しく調べてたら手間がかかって儲けも少なくなっちゃうから、
金利高く設定してしまえい!と儲けのことしか考えてないのが消費者金融。

一方で、時間をかけて借り手との信頼関係を構築することで、貸倒率を低めて、
金利をできるかぎり低く設定しようと試みるのがマイクロファイナンス。
貧困から抜け出すための生活や経営の指導等にまで踏み込みこんだりもする。

貧困を抜け出すための…、というと日本には関係ないかな?と思う。
でも、いや待って!と先進国の事例や日本の貧困に関するデータを持ってきて、
マイクロファイナンスは日本にも必要なんだよ、と説明してくれるのがこの本。

社会とのつながりやきずなが大切にされ、人びとが他者や社会に共感を持つ土壌が貧困を救うマイクロファイナンスの素地になると考えられる。というのは、貧困を本当に解決できるかどうかは、私たち1人ひとりが他者のことを自分のこととして考えられるかどうかにかかっているからである。」(P140)

マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」 (中公新書) マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」
(2009/09)
菅 正広
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