ピーター・D・ウォード「地球生命は自滅するのか?」

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昨日紹介したジェフリー・サックスの本は、

開発経済学者の視点から、世界が協力すれば、
気候変動の解決や生物多様性の保護も可能と説いたもの。

一方、今日オススメする生物学者の本は、
「地球に優しく」なんて考えても、生命の本質的な性質からして無理!、
これまでのガイア(母なる地球)仮説を否定し、
メデア(死を招く母)仮説を提示する。
環境問題について考えるなら、ぜひとも読んでおきたい本。

ガイア仮説(P26より)
「過去、現在、未来において、地球生命は生命の各種の許容範囲や要求から決定される特定の範囲内に外的環境を保つような仕方で影響を与えて、地球の住みやすさを維持する効果を持つ。」

こうした考えを生物総量の過去・現在・未来のデータなどを用いて否定して、

メデア仮説(P88より)
「地球の居住可能性は生命の存在によって影響されるが、生命の全体としての効果は今までもこれからも、居住可能な惑星としての地球の寿命を減少させる。生命自体が本質的にダーウィン的であることから、それは殺生命的、自殺的な性質を有し、後の世代に害を与える一連の生のフィードバックを地球システムにもたらす。」

といった考えにたどり着く。
そう言われてふと考えてみれば、環境保護活動は意外とチグハグだ。

発表されたばかりの研究結果によると、都市部にがんばって芝生を植えると、
施肥や手入れのために芝が吸収する約4倍の温室効果ガスを排出…。
東京都の校庭芝生化の事業に寄付している私の立場は…(涙)

さらには、スタバのマグカップとマックの紙コップ、どちらでコーヒーを飲んでも、
実は環境負荷はそんなに変わらない、という話も聞いたことがある。
※マグカップを洗うために排出する温室効果ガスがポイント

でも、最近の環境に対する意識の高まりが今後も続くのであれば、
メデア的だった生命形態が反メデア的へのパラダイム・シフトしたってこと?

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