現在の日本を知るために歴史を読み解くという観点では、
応仁の乱以後だけで十分、って考えにも一理ある。
現代に通ずる日本の生活文化の原点は室町時代にあるから。
でもそれ以前にさかのぼるべき主題のひとつに「恋」があると思う。
古代の日本は「中華」王朝に学び、国造りを進めてきた。
でも決して中国に倣おうとしなかったのが「恋」に対する態度。
天皇までもが恋の歌を詠むなんて、儒教文化の中国では非常識。
なぜ私たちの祖先がこんなにも恋に熱中したのかは分からない。
ただ恋の和歌にはできるかぎり触れておかなきゃいけないと思う。
そこには日本という国の苗代が隠されている気がするから。
※和歌の世界観に「恋」「月」「桜」は不可欠の三点セット
今春、恋の和歌を編集した本が2種類、出版されたよ。
まず読みやすいものとして、
超訳・百人一首シリーズ「うた恋」とのコラボになっているけど、
この本は漫画ではなく、東大教授が恋歌34首を解説したもの。
もう一方の本は上・下巻2分冊になっていて、
和歌を詠んだ人物像や背景が細かく描かれた充実の内容。
でもこれから和歌に触れてみたい人には、やっぱり百人一首かな。
私も3年前に子供の頃覚えた百人一首を再読して興味を持ったし、
鎌倉時代に編さんされた王朝文化の総集編的な和歌集だからね。
この本が割安でかなりお得感あり。
ちなみに100首のうち43首が恋の歌だよ。
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