時代遅れの人間。機械との競争、電王戦…

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機械との競争」。

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者がまとめたレポート。

小冊子をムリヤリ本にした割高な翻訳本が売られているので、

どーしても読みたい人には英文のKindle版をオススメしたい。

内容を簡単に紹介しておくと。

まず米国企業の業績が回復しても雇用が回復しないのはなぜか?

専門家の間では3つの説が唱えられているという。

  1. 景気循環説
  2. 停滞説(技術革新の伸び悩み)
  3. 雇用喪失説(技術革新により労働力が不要に)

このレポートは「雇用喪失説」を採用し、

人間にしかできない仕事が急速に減少していることを指摘したもの。

以前紹介したタイラー・コーエンは、

インターネットが経済面では期待はずれの技術革新だから、

雇用創出にはつながらなかったと指摘している。※「停滞説」

停滞説と雇用喪失説、みんなはどっちが腑に落ちるかな?

私自身はここ数年の金融危機、3.11後のフクシマから、

自ら生み出した技術に人間が時代遅れになったと感じてる。

人間の「環世界」の外側にまで活動範囲を広げた結果、

善悪の境界すら見失って、「想定外」を連呼するばかり。。。

さてMITのレポートでは、今は人間が勝っているけど、

近く追い越される可能性がある能力として「直感」があげられている。

直感と聞いて、すぐ思い出すのが棋士の羽生善治さんだが…

チェスに引き続き、とうとう将棋もコンピューターに敗れる時代が来た。

電王戦は第1回は米長邦雄永世棋聖が敗れ、

団体戦となった第2回は1勝3敗1分でプロ棋士が敗北し、昨日終了。

カスパロフとディープ・ブルーのチェス対決は1997年だったか。

羽生さんとコンピューター将棋との決戦も見てみたいなぁ。

羽生さんは人間との棋戦を1年休み、すべてのタイトルを捨てて、

コンピューター将棋を研究した上で対局に臨むと語っているらしく、

7億円の対局料が設定されているらしい。意外と安いよね…

コメント

  1. とよぴ縲鰀 より:

    ニコニコ動画ではなくニュースで結果を観ました
    コンピュータ側はスパコン(?)みたいなネットワークに繋げないでPC単体のスペックで勝負したほうがフェアに思えました

  2. まろ@管理人 より:

    たしかにネットワークにつなげると、1対1の戦いではない気がしますね。コンピューターが束になってかかってきても、人間様の頭脳には勝てないよ、って時代が終わっただけってことかな。

  3. 赤大将 より:

    人間が築き上げた文明の利器は、人間が代々積み重ねて
    きた技術・知識と言うものを容量が許す限り内部に持って
    それを使うことができるけど、人間の一人一人の容量は
    昔からほとんど変わらない。
    だから、単純計算や大量の知識を蓄積したデータベース
    処理などに関してはコンピュータが人間を追い越して
    人がついていく側になってしまったというのは実感します。
    各所で言われる想定外も、今から考えれば理論上は想定
    可能だったことも多いと思うんですよ。でも、人間が
    想定して処理できる範囲を超えていたから、理論上は
    想定可能でも、人間がそこまで思い至ることが難しい。
    将棋の対戦アルゴリズムも、今までの歴史の中で積み上げ
    られてきた色んな戦法と対処法なんかを、過去の棋譜から
    集積してる。それって、膨大すぎて普通なら処理できない
    量なんですけど、多数のコンピュータで並列処理する
    ことでこなしてる。
    そりゃ強いですよね…。
    コンピュータでは、あくまで人間がプログラミングした範囲
    (=想定・設定した範囲)でしか動けないので、完全に新しい
    何かを生み出すことは、まだ人間の領域のはずです。
    ただ、その完全に新しいものなんてそうそう生み出せるもの
    ではない。だから、人間の頭脳じゃないと駄目だよ! って
    分野がだんだん狭められてきて…窮屈になっちゃってるんで
    しょうね。う~ん。

  4. まろ@管理人 より:

    私は10代の頃までは抜群の記憶力で「神童」の名を欲しいままにしていました。でも20歳の時、Windows98が登場し、その2,3年後にはGoogleが現れて、百科事典が記憶できる能力なんて時代遅れになってしまいました。
    写真を撮るようにすべてを記憶できた能力は衰え(解像度が落ちていった感じです)るという追い打ちもかけられて、もはやこれまで…
    と思いきや、記憶した情報を「編集」するという点では、まだ機械には負けないぞ!ってことに最近気が付きました。
    それが私にとっての「機械との競争」です。