サッカー界にもデータ分析の時代がやってきた。
指摘されれば、思い込みだったことが多い。
本書で示された分析結果をいくつか紹介すると、
- 得点直後は失点しにくい
- コーナーキックとゴールに相関関係はない
- 試合結果を左右するのは運と実力の半々
- シュート数の大小は勝ち負けに関係なし
- 勝ち点3への変更はゴールではなくイエローカードを増やした
- シーズン最多ゴールを記録したチームが優勝する確率は5割
- 勝敗を決めるのは優れた選手ではなく能力が劣る選手のミス
- 負けている時の選手交代は58分、73分、79分が効果的
この本を読んで日本の失敗を痛感したことが2つある。
- 強豪相手に攻撃的なサッカーは破滅
- 海外組の成長がかえってチームを弱くする
データ上、事前の本命が勝つ確率はサッカーでは約5割。
野球の6割、バスケットボールの7割に比べると低い。
サッカーでは得点数が少ないから運に左右されやすいのだ。
つまり強豪相手の試合ではとにかく守備が大切なのだ。
本田、香川を要する自慢の攻撃力で…はデータ上ありえない。
また選手の能力の差の少なさも試合結果に影響を与える。
かつてレアル・マドリーの銀河系軍団が期待外れだったように、
「選手の平均能力が70%のチームであっても、全員が70%の能力を持つチームの方が、100%の能力の選手が2人、50%の選手が1人、30%の選手が1人、残りが70%のチームよりも試合に勝つ確率が高い。」P279
つまり絶対的なエースの存在が日本にあわないのではなく、
2010年大会と比べて選手間の能力差が広がったことも、
今大会の日本代表はガッカリする成績に終わった原因だね。
分析対象が世界中が熱狂するサッカーだけに、
今後多くの学者が取り組み、発展が期待される分野といえるかも。
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