琵琶湖の絶景宿「湖里庵」。学びの宝庫へふたたび!

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江戸時代から続く鮒寿し屋が営む宿「湖里庵」へふたたび!
昨年初めて訪れて感動し、琵琶湖旅に外せない場所になった。

今回も「湖里庵」主人の左嵜謙祐さんのお話をメモ。

鮒寿しに関する話題

  • 鮒寿しの甘露漬け(鮒寿しを酒粕に漬けた料理)は琵琶湖の西側にしかない。東は土地が広く、琵琶湖から離れた位置に造り酒屋があったため、鮒寿しと酒粕が出会わなかったのでは?
  • 鮒寿しは均等な大きさのものより、大きさがバラバラのものを重ねていった方が美味しくできる。石垣の積み方と似ているのかもしれない。

あらためて滋賀県の地形を見直すと、
西側は比良山地・比叡山が迫り、ほとんど平野部がなく道は琵琶湖沿い。
もう一本の主要な道は若狭湾で水揚げされた魚を京都へ運ぶ、
いわゆる鯖街道だが、こちらは比良山地を超える山道。

近江八幡など広い平野が広がる東側とまるで違う地形だったから、
滋賀県内でも東西で微妙に食文化が変わるというのは興味深い。

また鮒寿しの漬け方が石垣(野面積み)と似ている話も面白かった。

2018年秋の台風による全壊からの再建

  • 再建中は大津にカウンター席のみのスペースを借りて料理屋を続けていた。それが料理のアイデンティティを見直すきっかけになる。
  • 再建前は海津が日本海からの魚の通り道だったこともあり、海の魚を使ったごく普通の懐石料理を作っていた。でも大津で料理を提供していたら、これでは他の料理屋との違いがないと気がつく。
  • それまでは調理場にいてお客の前に出ることは少なかったが、カウンター席で琵琶湖の固有魚の話をしながら料理を提供していたら評判がよかった。自分と琵琶湖の距離が縮まってきた。
  • せっかく琵琶湖の見える場所に料理屋を構えているのだから、新しい湖里庵は景色とともにこの地の食文化を伝える場所にしたいと決意。
  • 再建前の2階は40人近く入れる座敷だったが、1日1組のみの宿泊できる場所に、1階もカウンターでお客を迎えられる作りに変えた。
  • 料理も再建前は普通の懐石料理も提供していたが、再建後は昔からのお客さんに嫌がられても鮒寿し懐石一本に絞った。鮒寿しもそのままの形にこだわらず、今の食文化にあうようにパスタにするなど提供の仕方を工夫している。

2018年9月の全壊から2021年4月の復活までの2年半。
40代前半の時期を思いがけず違う場所で過ごしたことで覚醒。

やっぱり少しでもいいから定期的に環境を変えて、
今いる場所を見つめ直すことが人生を豊かにするんだろうな。
今回もいろいろな学びが得られた湖里庵宿泊だった。

朝は縁側でこんな景色を眺めながらのコーヒータイム。

 

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