兼好法師「徒然草」

兼好法師「徒然草」

資産を殖やす話ばかりの今こそ、徒然草。

昨年来、新NISAの話題があふれており、将来の資産を殖やすことばかりに焦点がいきがちだ。だが、お金を「稼ぐ・貯める・殖やす」方法は限られており、本当に難しいのは、多数の選択肢があるお金の「使い方」。人...
兼好法師「徒然草」

徒然草に学ぶ、金銭感覚と投資の心得。

rennyさんとのお話の中で「徒然草」に触れたので、お金や投資に関連する部分についてまとめておこう。理想的な金銭感覚兼好法師の生きた14世紀前半は、貨幣経済が本格的にはじまった頃。徒然草の中にも金銭感...
兼好法師「徒然草」

徒然草・最終段に込められた意味

徒然草の最終段である243段は少し不思議。幼少期の兼好法師が父親に「仏って何?」と問いかけ、数回の問答の後に、父は答えられなくなり、「問ひ詰められて、え答へず成り侍りつ(息子に問い詰められ、とうとう答...
兼好法師「徒然草」

偽ブランドは嘘つきのはじまり/池谷裕二「脳はすごふる快楽主義」

脳科学者の池谷裕二さんが最新の論文を紹介するエッセイ集。第3巻の「脳はすごふる快楽主義」を読んだ。このシリーズは実に面白く、前2巻で印象的だった論文もメモを残している。心が通じ合うとは、相手の言葉が予...
兼好法師「徒然草」

いまこそ「市中の山居」

示唆に富んだ人生訓がちりばめられた、パスカルの「パンセ」。今ほどこの言葉が身にしみる時はない。「人間の不幸というものは、みなただ一つのこと、すなわち、部屋の中に静かに休んでいられないことから起こるのだ...
兼好法師「徒然草」

話が意味不明の専門家? その人はエセ専門家。

ある分野について学んでいるが、専門家の話が理解できない。まだ私自身の勉強不足ということなのか?そんな悩みを聞くと、だいたい次のどちらかなのだが、実際に本人の勉強不足見栄を張るために難しい言葉を使ってい...
兼好法師「徒然草」

生きる限り求めてしまう三つの欲/徒然草242段

年末年始に経済誌向けの原稿を書いていて字数調整に苦戦した。 こういう体験をしてあらためて、枕草子や徒然草はすごいなと思う。短くまとまっていて内容も深い。 最近あまり古典に触れていなかった気がしたので、...
兼好法師「徒然草」

投資家へ贈る徒然草110段

最近ずいぶんと好調な日本株について今後の見通し等を尋ねられた。残念ながら私には未来予測の能力は搭載されていない。ただ今のような環境下での心構えであれば、古典にいくらでも書いてある。ここでは「徒然草」か...
兼好法師「徒然草」

世間の評価はどうでもいい/徒然草38段

自己評価はむずかしい。だからといって他者との比較や世間からの評価に振り回される人生は愚かだ。兼好法師は「徒然草」のなかで次のように斬り捨てる。「名利に使はれて、閑かなる暇なく、一生を苦しむるこそ、愚か...
兼好法師「徒然草」

人生を楽しむための徒然草150段の方法論

最近の笑い話の鉄板ネタと言えば、包丁も持ったこともないのに、本格的な和食の料理教室に習いに行ったことで、あっという間に上達し、今ではすっかり料理はお手のもの。先日、友人に言われて気がついたのだが、大学...
兼好法師「徒然草」

兼好が理想とした金銭感覚/徒然草60段

徒然草217段で禁欲による蓄財に疑問を投げかけた兼好法師。では彼が理想とした金銭感覚はどのようなものだったのだろう?徒然草60段に理想の変人、盛親僧都が描かれている。芋が大好物の高僧で、お金があれば芋...
兼好法師「徒然草」

身の丈に合わない思想をかぶると…/徒然草53段

酔っ払った仁和寺のお坊さんが宴会でウケを狙って、足鼎(3本脚の鉢)を頭にかぶって踊ってみせた。一同、大爆笑。でも鼎を抜こうとすると、抜けない…。鼎を叩き割ることもできず、医者に見せてもどうにもならない...
兼好法師「徒然草」

この世の噂は嘘ばかり/徒然草73段

鬼女の噂(50段)や猫の化け物「猫また」の噂(89段)に翻弄される人々を横目に兼好法師は、「世に語り伝ふること、真あいなきにや、多くは皆、空言なり。」世間の噂の多くはみな嘘だ、と73段で分析をはじめる...
兼好法師「徒然草」

兼好法師の名人讃歌/徒然草92、109、110段など

一度きりの人生だから、やりたいことに思いっきり打ち込んで、名人や達人、師匠などと呼ばれるところまで行きたいもの。「徒然草」は理想の生き方を追い求めた記録でもあり、そこには兼好法師が憧れた名人が描かれて...
兼好法師「徒然草」

まずは環境を整える/徒然草58、85、157段

生きてある日は今日ばかり、との死生観から、「いつやるか? 今でしょ!」と徒然草で説いた兼好法師。では私たちは何から手をつければいいのか?「「道心あらば、住む所にしもよらじ。家にあり、人に交はるとも、後...
兼好法師「徒然草」

いつやるか? 今でしょ!/徒然草59、155、188段

人生で大切なことのほとんどは「徒然草」に書いてある。中身カラッポの自己啓発本ではなく古典を読むべし!最近はやりの予備校講師のことばが胸を打つ。「いつやるか? 今でしょ!」これは兼好法師が「徒然草」でく...
日本の美意識

兼好法師の月見/徒然草137段など

便利な時代になった。 徒然草に描かれた兼好法師の「月」観を知りたい!と思えば、 どこの段に書かれているかあっという間に収集できる。兼好の月への愛は21段の「よろずの事は、月見るにこそ慰むものなれ。」世...
兼好法師「徒然草」

徒然草の「あらまほし」生き方

徒然草には「あらまほし」がよく出てくる気がしたので編集。「あらまほし」は今の言葉で「こうありたい」って感じだから、集めてみれば兼好法師の人生観が見えてきそうじゃない。やっぱり目につくのは隠遁生活への賞...
兼好法師「徒然草」

真の専門家とは?/徒然草167、168段

専門的な知識・経験を得ることで、失われる無知の知。自説を否定されるような真実から目を背けがちになる専門家。→ 専門的な知識・経験と無知の知(12/10/27)そういえば真の専門家のありかたが「徒然草」...
兼好法師「徒然草」

無縁は中世の理想郷/徒然草211段

無縁。今では社会問題を表す言葉になっているけど、鎌倉時代には「遁世」や「隠遁」は知識人の憧れだった。徒然草211段にもそれがよく現れている。万の事は頼むべからず。愚かなる人は、深く物を頼む故に、恨み、...