隆慶一郎「一夢庵風流記」

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1人の人物のイメージを一変させてしまった、とんでもない歴史小説。
その人物とは、戦国時代好きのみなさんはよくご存じの、前田慶次
戦場での一騎当千の強さと、風流をたしなむ文化人等、
現在に通じる前田慶次像は、すべてここからはじまったんだよね。

1989年、この本が出版され(作者の隆慶一郎氏はこの年に他界)、
これを原作に90~93年、原哲夫氏によって漫画化。「花の慶次-雲のかなたに-」
こうした流れのなかで、前田慶次は戦国時代にかかせないヒーローになった。

最近になって、戦国時代が好きになった方々の中で、
この本をまだ読んでなかったら、年末年始にぜひ読んでみてね。
私も今週、読み返してみて、目にとまった一文を1つ。

無意識に自分を捨て、相手の身になって相手の眼で世界を眺めると云うことが即ち惚れたと云うことなのだ。だからこそ惚れると云うのは素晴らしいのではないか。他人の眼で、全く違った世と人を見られることに、たまらない新鮮さがあるのではないか。」P328

なるほど心底惚れる、っていうのは、こういうことなんだろうね。
ここまでいかなくても、一緒にいて視野が広がる人との関係は大切にしたいもの。
ただ、相手の立場になったとき、私にそれだけの価値があるか? 微妙だな…

仕事があってちゃんと働いて、お金をいただいて…、その繰り返しの中でしか、
人としての成長は得られないのかな。。。今年一番の反省でした。

一夢庵風流記 一夢庵風流記
(1992/12/15)
隆 慶一郎
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☆おまけ…TVK(神奈川テレビ)などで放映されている、戦国鍋TVがおもしろい。

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