会社のあり方を考えるすべての人にとって、今や伝説の名著といえる
坂本光司先生の「日本でいちばん大切にしたい会社」。
経営学というと、アメリカに目を向けてしまう日本の学者たちがほとんど。
カタカナ用語や数式で本質を覆い隠して、思考停止に陥っているんだ。
日本には、アメリカ建国以前から存在する会社だってたくさんあるんだし、
本物の経営を追求するなら、とことん日本にこだわってみた方がおもしろい。
だから坂本先生は本当に素晴らしい。ぜひ英訳版を世界に発信して欲しい!
また、投資家として、もちろんリターンを得ることも大事だけど、
株主として誇れる会社の株式を、長く保有できることが一番の幸せ。
そんな私はパート1をきっかけに、ジョンソン&ジョンソンへ投資したんだよ。
日本でいちばん大切にしたい会社 日本でいちばん大切にしたい会社2 日本でいちばん大切にしたい会社3 |
著者は企業経営とは「五人に対する使命と責任」を果たすための活動と説く。
- 社員とその家族を幸せにする
社員が幸せであってこそ、お客様に良いサービスを提供できる - 外注先・下請企業の社員を幸せにする
赤字を下請に押しつけてはダメ。誰かの犠牲の上に成立つ組織は正しくない - 顧客を幸せにする
社員と外注企業の満足度を高めることが、顧客満足度を高めることにつながる - 地域社会を幸せにし、活性化させる
日常的な企業活動を通じて、地域住民の誇りになる - 自然に生まれる株主の幸せ
上記4人の満足度を高めれば、株主の満足度も必然的に発生する
そしてこの条件に合致する企業が具体的に紹介されている。
そんなきれい事あるわけない、と思いきやあるんだよそんな会社が!
本の中で名前の挙がった会社のHP等の情報を以下に編集。
【パート1より】
日本理化学工業 (チョーク)
障害者に働いてえられる喜び・幸福を。障害者雇用率7割。
「人間にとって”生きる”とは、必要とされて働き、それによって自分で稼いで自立することなんだ・・・それなら、そういう場を提供することこそ、会社にできることなのではないか。企業の存在価値であり社会的使命なのではないか。」(P51)
※関連図書…大山泰弘会長の著書「利他のすすめ」
伊那食品工業 (寒天)
経営理念「社員の幸せを通して社会に貢献」
→経営方針…無理な成長は追わない・敵をつくらない・成長の種まきを怠らない
中村ブレイス (義足)
「ブレイス=支える」。社名に会社の理念が込められている。
本物の物づくりとは、弱者に優しく、人間の尊厳を高めるような物づくり。
柳月 (お菓子)
柳月の五つの誓いの末尾にはこう記載されている。
「お菓子を通じて家族の絆を結び、人と人との心を結びます。」(P155)
杉山フルーツ (果物屋)
まごころ込めた贈答品で輝く果物屋さん。
パート1・コラムで登場した会社
- ファンケルスマイル
- ジョンソン・エンド・ジョンソン
- 樹研工業 →パート2で詳しく紹介
- キシ・エンジニアリング
- ホリックス
- アールエフ →パート2で詳しく紹介
- 柏屋
- オオゼキ
- メリーチョコレートカムパニー
【パート2より】
松下幸之助、司馬遼太郎も絶賛の、恵まれない人に視力を贈るメガネ屋さん。
国連難民高等弁務官事務所から、日本で初めて「ナンセン難民賞」を授与。
もう一度入院したくなる、人に紹介したくなる絶対Noと言わない病院。
豚の命に感謝しながら、日本の食糧自給率向上を目指す。
アールエフ (飲むカプセル内視鏡)
特許を取らずに技術を公開することで緊張感を保つ。
「技術を囲い込むと短期的には利益が確保できると思いがちですが、長期的には違います。『独占』という安心感から技術開発にブレーキが掛かり、新技術が生まれにくい土壌になってしまうのです。」(P126・丸山社長)
樹研工業 (超極小プラスチック歯車)
社員を先着順で採用。給料は年齢序列。入院した社員に給料を払い続ける。
※松浦元男社長の著書→Amazonへ
未来工業 (名証2部上場)
あえてコピー機1台に社員を並ばせて、待ち時間に異なる部門間の交流を。
阪神大震災の際、被災した取引先の債権を放棄。その額1億6千万円!
ネッツトヨタ南国 (自動車ディーラー)
車はショールームの外に展示。内部は地域のくつろぎの場に 。
社員が幸せに働ける会社はつくれば、自然とお客様の満足度の高い会社へ。
沖縄教育出版 (健康食品・化粧品)
社是「人間尊重の経営への挑戦、感謝、恩返し、そしてお役立ち」
※関連図書: 田原実「全員主役の感動創造企業 沖縄教育出版 1」
【パート3より】
徳武産業(介護用ケアシューズ)
左右別々のサイズ(長さや幅)の販売や靴底の高さ等の調整に対応。
2001年に同社が始めた試みが、今では業界の標準に。
「靴は無機質ものですが、『この役割をしてください』という願いによって、有機質の物に変わるのです。靴が、本当に不自由されている方の思いを実現する有機質に変わったら、もう靴は靴ではないと思うのです。」(P55・十河社長)
長野オリンピックでは、目先の利益にとらわれず地元の顧客を優先。
「利益の本質は革新料である」(経営理念より)
日本レーザー(レーザー専門商社)
会社の最大の目的は、親会社の利益ではなく「雇用すること」と考え、
MEBO(経営者と社員の出資で企業買収)により親会社から独立。
精神疾患の患者さんと社会とをつなぐ出版社。
福祉の枠を抜け出し、障がい者を納税者に。
大谷(はんこ屋)
正社員の3分の1が障がい者。
30歳で何百人に一人の難病にかかった大谷社長は、
「自分が生かされているのは、おそらく『もっと世の中に役に立つことをしろ』ということだと思っています。」(P193)
島根電工(設備工事)
大口受注、公共工事に頼らず、1,000円~「住まいのおたすけ隊」。
東日本大震災で被災者支援に尽力した被災地の葬儀社。
「業界の常識は世間の非常識」とみなして、料金体系の明確化。
※関連図書…鎌田恭幸「日本でいちばん投資したい会社」
コメント
・日本理化学工業株式会社の社長と坂本先生が対談すると伺いました どこでいつなんでしょうか??
ごめんなさい、私も興味を持ったので調べてみましたが分かりませんでした。もし分かったら私にも教えてください。
昨日(12月2日)のカンブリア宮殿で
日本理化学工業(障害者を採用し続けている)と
樹研工業(百万分の一グラムの歯車を作成)が取り上げられていましたね。ご覧になりましたか?
この番組に出ていた『樹研工業』ですが、「日本でいちばん大切にしたい会社」で紹介されていたのと同じ会社だと思います。(下記同社ホームページのURL)
http://www.juken.com/information/group/index.html
本には”豊橋の”と”松浦社長”と書かれていたので、これかなと。
babooconさんありがとうございます。これで全URL制覇です♪
カンブリア宮殿は司会の2人が嫌いなので見てないです(笑)
村上隆さん顔怖くて苦手だし、小池栄子さんは私の一番嫌いな女性のタイプの巨大胸(顔がキン肉マンに似ているのはちょっとプラスポイントですが)。
まさにご意思に共感しました。投資は愛であり、金融とは真心の循環だと思います。近々、鎌倉で著者のセミナーがあります↓
http://www.kamakuraim.jp/pdf/semi20091108.pdf
不要な情報であれば、削除願います。
講演会、以前から知っていて、行きたいなぁと思いましたが、往復3時間かかってしまうので断念しました。
竹田和平さんが著書の中で、
「商売でいえば、買う方は喜ばせてくれるモノや人にお金を払い、売る方はお客さんを喜ばせてお金をもらう。喜びや満足に金銭的な価値が生まれるのです。喜びの交換に経済価値があり、喜びのやり取りがすなわち経済なのです。」
なんてことを語っています。
投資でもせっかく同じお金を使うんだから、同じような想いがのせられるといいですよね。
横から失礼します。
講演会、wakuwakuさんのコメントで初めて知りました。
僕も坂本先生の講演には興味があるので、参加申込みました。
wakuwakuさん、情報提供ありがとうございます。
2冊とも素晴らしい会社がご紹介されてますよね!
私もグッときて、涙がでました。
私の会社で、沖縄教育出版さんの漫画を作ってます。
よかったら読んでみてください♪
↓
http://www.kokorozashi.co.jp/
まろさん、こんばんは。
僕も早速「2」を買って読み中です。
未来工業は前からユニークな経営で知られていて注目していましたが、やっぱり坂本先生も取り上げて来られたか~、という感想です。
樹研工業も詳しく取り上げられていましたね。パート1を読んだ後、松浦社長の書いた本を2冊読みましたが、それにも感動しました。
ゆうこさん、babooconさん、関連図書情報ありがとうございます。
このページ、かなり多くの方に読まれているようなので、いただいた情報はどんどん記事内に載せて、「日本でいちばん大切にしたい会社」のハブ空港みたいな感じにしちゃおうと考えています。
みなさまからの関連情報お待ちしております。
あさ出版の木内と申します。
このたびは「日本でいちばん大切にしたい会社」を
記事に取り上げていただき、ありがとうございました。
公式ブログでお礼の記事を書きましたので
どうぞご覧ください。
わたしも知らなかった関連情報がココにありましたので
こっそり控えて帰ります。。。(笑)
ありがとうございました、
あ、木内さん。パート1の時にもコメント頂きましたね。お久しぶりです。その後もご担当が変わっていないのが、ちょっと嬉しかったりします。気が早いですが、パート3も楽しみにしています。
「日本でいちばん大切にしたい会社3」も出版されてすぐに読みました。
こういうシリーズ物だと段々マンネリ化してもおかしくないですけれど、今回紹介されている会社もすばらしい会社揃いですね。
まだまだ長く続けて欲しいです。
今回のパート3、発売日がAmazonよりも書店の方が先でした。
たまたま?それとも何か想いが込められていた?どっちだったのか気になったり。