日本の洋食や中華は和食の一種で本場のものとは違う。
古くは羊肉でだしを取った中国の煮こごり「羊かん」の変身から
近年では「箸」で食べる「たらこスパゲッティ」まで。。。
日本人の食に対する発想の豊かさはすさまじいものがある。
「洋食」が生まれた明治時代は、その力が爆発した時期であり、
その代表的な料理「とんかつ」に着目したのが今日の一冊。
日本では長らく「肉」を食べてなかった時期がある。
- 675年 天武天皇の「殺生禁断令」
- 1873年 明治天皇が肉食解禁
- 1929年 とんかつ誕生=「洋食」の誕生
1200年の沈黙を経て、まずは「牛肉」が食べられるようになり…
著者によるとそこから50年、下記の段階を経て「とんかつ」誕生!
- 牛肉→鶏肉→豚肉 という肉食の広がり
- 薄い肉(例:すきやき)から、分厚い肉への関心の広がり
- 細かいパン粉で炒め焼き(カツレツ)→大粒のパン粉で丸揚げ
- 西洋から渡来したキャベツを生で千切り付け合せの発想
- 日本独自のウスターソースの発明
- パンではなくお米で楽しめる料理にする
とんかつ誕生の考察のまとめに著者は
日本の食文化に「小麦粉」が深く関わっていることを示す。
- 奈良時代・・・遣唐使が持ち帰った「唐菓子」は生地が小麦粉
- 鎌倉時代・・・中国から「めん」と「まんじゅう」が伝来
- 安土桃山時代・・・南蛮文化と出会い「てんぷら」誕生へ
- 明治時代・・・「パン粉」や「ルー」を使った「洋食」の誕生
- 20世紀・・・「インスタントラーメン」が世界へ向けて輸出
もしかすると日本が外来の料理を多彩に変える原点は、
「小麦粉」を使った調理法にあるのかもしれない。
あぁ、なんだかとんかつを食べたくなってきた。
みなさんのお気に入りのとんかつ屋はどこですか?
わたしは目黒の「とんき」や西麻布の「豚組」が好みの定番で、
最近美味しかったお店は、二子玉川の「大倉」かな。
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