偶然とリスクの諸相

偶然とリスクの諸相

盗難で一変した「モナ・リザ」の評価

レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作「モナ・リザ」。この絵が名画と呼ばれるようになったのは20世紀に入ってから。ある事件が起きるまで、ルーブル美術館が所蔵する絵画の中では、ラファエロやティツィアーノの方が...
日本の美意識

偶然の文化比較と九鬼周造「偶然と運命」

数学者が偶然や運命を計算で飼い慣らそうと必死だった歴史は、ピーター・バーンスタインの「リスク」を読めば、なんとなく分かる。では哲学者は偶然や運命をどう捉えていたのか? あるものが偶然と呼ばれるのは、わ...
偶然とリスクの諸相

未来が現在・過去を評価するのだから…

投資家として世界を読み解こうと試みた当初の約10年は、時間の捉え方が「過去→現在→未来」と一直線で幼稚だった。最終的には大学院にまで行ったけど、そこに未来学は存在せず、数字と論理を積み上げて必死に過去...
偶然とリスクの諸相

リスク管理社会の変遷と本質

「リスク管理」の考え方は経済理論から生まれたもの。確率・統計によって偶然やリスクを飼いならす。。。でも21世紀に入った今、破局をもらたすようなリスク、たとえば環境問題・金融危機・テロに対して無力を露呈...
お薦めの本

思考欠如の系譜を読み解く/ハンナ・アレント「人間の条件」

ハンナ・アレントは「思考欠如」を現代社会の危機と捉え、そこに至る系譜をこの「人間の条件」に描こうとした。労働・仕事・活動の三要素を「人間の条件」と定義し、近代において「労働」が重要視された結果、「私た...
偶然とリスクの諸相

豊かな社会がリスクをもたらす/ベック「危険社会」

政府の役割が「富の分配からリスクの分配」に変わったという話。それを唱えたウルリヒ・ベックの「危険社会」の記述をあたってみた。※「危険」と訳された部分を「リスク」へ書き換えた。「近代が発展するにつれ富の...
偶然とリスクの諸相

富の分配からリスクの分配へ

リスクを分散・分配することで本質的な危険から目をそらす。これにより社会と人間のあいだに君臨している偶然を排除する。これが20世紀後半に築かれたリスク管理社会の幻想だった。「ウルリッヒ・ベックによれば、...
投資の賢人に学ぶ

ジョージ・ソロスの再帰性理論

ジョージ・ソロスの投資哲学の根幹である再帰性理論。昔はさっぱり分からなかったけど、今なら少し近づけそう。 認識機能…人が世界を理解しようと努めること 関与機能…人が世界に影響を与えようとすることこの2...
投資で創った人生哲学

ダブル・コンティンジェントな株式市場

和英辞典で「偶然」を引くと”chance”が一番最初に出てくる。なんかイメージと違うぞ。。。以前紹介したイアン・ハッキング「偶然を飼いならす」の原題が、"The Taming of Chance"だっ...
偶然とリスクの諸相

未来予測に価値はない/フロイト「幻想の未来」

ジークムント・フロイト。彼が無意識や心理的な葛藤を人間観察の中心に持ってきたことで、以後、精神医学や心理学、さらには脳科学へと研究が広がった。こんな業績を残した人だろうか。著作を読んでみようと思い「幻...
お薦めの本

リスク管理は破局に無力/ジャン=ピエール・デュピュイ

リーマンブラザーズが破綻した日に、これは面白いことになった♪と投資の分野で研究者として名を残す!と暴走し、大学院へ進学。でもそこで出会った学問は、より良い未来の創造に対して無力であり、むしろ未来の偶然...
偶然とリスクの諸相

連続性の追求が人生の目的/パース「連続性の哲学」

私たちが様々な社会現象に連続性を見出したがるのはなぜか?タイトルに惹かれて、パース「連続性の哲学」を読んでみた。「思考における、感情における、行為における一般化、連続的体系の豊かな拡がりこそが、人生の...
偶然とリスクの諸相

ラプラスの悪魔とは?(確率の哲学的試論)

ずっと読みたかったけど絶版で、中古が値上がりして入手困難。そんな岩波文庫の一冊が先週重版されたので、速攻で手に入れた。でもAmazonでは早くも品切れ…。今、注目されてるのかな?ピエール・シモン・ラプ...
偶然とリスクの諸相

3.11が残した課題は原発問題ではない

どういうわけか3.11を原発精神論でしか語れなくなった。原発を動かす動かさない、そんなことは議論の対象ではない。原発を徐々に減らして他の手法に切り替えていく以外にないから。※「フォーリン・アフェアーズ...
偶然とリスクの諸相

偶然の美しさと運命の出逢い

20世紀フランスの詩人ブルトンは「シュルレアリスム宣言」なかで、「私の意図は、一部の人々の間にはびこっている不思議への嫌悪と、彼らが不思議の上にあびせようとしている嘲笑とを糾弾することだったのである。...
偶然とリスクの諸相

確率を引っ掻いたシュレーディンガーの猫

初期状態さえ分かっていれば、あらゆる自然現象の未来は予測可能。長らく人々の思考を支配してきた決定論(運命論)に対し、数学的には確率・統計が、物理学ではハイゼンベルクが斬り込んだ。この流れの先に量子論の...
偶然とリスクの諸相

ハイゼンベルクの不確定性原理

物理学のことなんてさっぱり分からない。でも運命や偶然について考えるうちに遭遇したので覚え書き。イアン・ハッキング曰く「決定論の浸食」が起きる直前、フランスにピエール=シモン・ラプラスという数学者がいた...
お薦めの本

イアン・ハッキング「偶然を飼いならす」

サブプライムローン問題に続くユーロ危機という現在の混乱は、偶然の飼いならしに失敗し、ブラックスワンが羽ばたいた結果とも言える。いつからなのか?偶然を「まぐれ」のまま放っておけなくなったのは?確率・統計...
名言・名文

遺伝子は意思を持った意伝子なのか?

「人が美しいと感じるもの=遺伝子を残すのに最適」 を説く本を読み、なんか遺伝子が過大評価されているような変な感じがあった。リチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」が注目されてからかな。遺伝子の「遺」...
世界を読み解く方法

まぐれと実力の取り違え

前回の「意味の渇望」に引き続き、周囲と話がかみ合わないこと。それは「まぐれと実力の取り違え」。これがどうにもならない。しかし正直に言うと、これには私自身もとらわれていた過去がある。20代後半の幸運に、...