ジョージ・ソロスの投資哲学の根幹である再帰性理論。
昔はさっぱり分からなかったけど、今なら少し近づけそう。
- 認識機能…人が世界を理解しようと努めること
- 関与機能…人が世界に影響を与えようとすること
この2つの相互干渉をソロスは「再帰性」(reflexibility)と呼ぶ。
「再帰的な状況の特徴は、関与する者の見方と事柄の現状との間に対応関係が欠落している点である。」P53
つまりこの再帰性により、この世界に因果関係は成立せず、
「思い描いた未来」と「やがて起きる現実」との溝が埋まらない。
社会学者はこの溝を埋めようと、認識機能に無限の力を託し、
たとえば経済学では「合理的」「効率的」「均衡」なる仮説が登場。
「あいまいさのない予測や説明を提供できることこそ、科学的方法の究極の証明だったから、経済学者たちはそれを放棄したくないのである。」P60
投資家は将来の予測によって金融市場に関与参加するが、
現状を把握できている者など存在しない。 ※ラプラスの悪魔
不十分な知識の投資家が金融市場に関与することで、
将来の価格の不確定性と予測不可能性が増していく。。。
いわゆる「効率的市場仮説」なんてウソだということを、
ソロスは自らの成功によって証明したってことになるのかな。
コメント