政府の役割が「富の分配からリスクの分配」に変わったという話。
それを唱えたウルリヒ・ベックの「危険社会」の記述をあたってみた。
※「危険」と訳された部分を「リスク」へ書き換えた。
「近代が発展するにつれ富の社会的生産と平行してリスクが社会的に生産されるようになる。貧困社会においては富の分配問題とそれをめぐる争いが存在した。リスク社会ではこれに加えて次のような問題とそれをめぐる争いが発生する。つまり科学技術がリスクを造り出してしまうというリスクの生産の問題、そのようなリスクに該当するのは何かというリスクの定義の問題、そしてこのリスクがどのように分配されているかというリスクの分配の問題である。」P23
つまり科学技術の発展により、社会が豊かになることで、
- 何がリスクなのか把握することができない
- リスクの責任の所在が分からない
- リスクが顕在化したときの補償をしきれない
といった状況に必然的に陥り、リスク社会が到来する。
そして誰もが等しく「リスク」にさらされる。
こういった意味での「リスクの分配」ってことなんだろう。
難しいけど原発問題や環境問題につながる話なんだよね。
「リスク社会において、過去は現在に対する決定力を失う。決定権を持つのは未来である。」P47
ちょっと気になった言葉を貼り付けていったんおしまい。>>>つづく
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