2012-05

名言・名文

名著の中の羊羹(ようかん)/草枕、陰翳礼讃

ふいに冷蔵庫でよく冷やした水羊羹が食べたくなったので、 羊羹の美学でも編集してみようと思い立った。 羊羹には奇妙な来歴がある。 もともとは中国の料理で、羊(ひつじ)って字のとおり、 羊肉でとったスープ...
文化で読む日本経済

江戸時代の中国商人は清廉潔白/井原西鶴「日本永代蔵」

日本のCSRの原点として江戸時代の近江商人があげられる。 売り手、買い手、世間を考慮した商売「三方良し」って言葉が有名。 日本は世界に先駆けて社会的責任を果たしていた! と主張する人もいるが、自分に都...
日本の歴史と文化

次世代に残したい伝統、ありますか?

日本の歴史や文化を読み直して約2年が経つ。 失われつつある日本の美意識に出会い、分からなくなること。 いったい何が失われると間違えで、何が継承されれば正解? 「色」や「形」だけが残ればいいのだろうか?...
講演・取材メモ

松岡正剛、最後の連塾

松岡正剛氏は読書家にとって憧れの存在だ。 分かりやすく?言うと、投資家にとってのウォーレン・バフェットであり、 バルサファンにとってのグアルディオラやメッシなのである。 そんな松岡氏が2003年から続...
食文化と美食探訪

奢侈禁止令が育んだ? 旬の食文化

目に青葉 山ホトトギス 初鰹 (山口素堂) 鎌倉を 生きて出でけん 初鰹 (松尾芭蕉) 今は鰹(カツオ)が美味しい頃なんだっけ? あいかわらず旬の食材がさっぱり分からない。 季節の恵みを味わうのが日本...
偶然とリスクの諸相

ハイゼンベルクの不確定性原理

物理学のことなんてさっぱり分からない。 でも運命や偶然について考えるうちに遭遇したので覚え書き。 イアン・ハッキング曰く「決定論の浸食」が起きる直前、 フランスにピエール=シモン・ラプラスという数学者...
お薦めの本

イアン・ハッキング「偶然を飼いならす」

サブプライムローン問題に続くユーロ危機という現在の混乱は、 偶然の飼いならしに失敗し、ブラックスワンが羽ばたいた結果とも言える。 いつからなのか? 偶然を「まぐれ」のまま放っておけなくなったのは? 確...
社会を意識した投資

SRIファンド低迷の不都合な背景

社会的責任投資フォーラム発表のSRI市場残高で気になること。 2011年3月の「大和マイクロファイナンス」以降、新規ファンドがない! しかも日本株ファンドで10億円以上を集めたファンドに限ると、 20...
日本の歴史と文化

平安・鎌倉時代の日食

天気がよければ、もうすぐ金環日食が見られるね! 東京で見られるのは1893年以来、約173年ぶりのことなんだって。 通勤時間帯で見れないよ!という方は人生を考え直した方がいいかも。 日本の歴史上、有名...
社会や政治の問題など

節電の夏を控えた日本の行方

震災直後は放射能や節電の影響で、東京の繁栄の終わりを予感した。 東京の時代は409年続いていて、平安時代の京都の398年を上回る。 バブル崩壊以降、産業の中心が西に動いているイメージがあった。 200...
名言・名文

ダーウィン「種の起源」の名言は、後世の誤った要約?

「美は命を絶やさないための手段のひとつであり、美に対する愛情は人間の生物学に深く根ざしているのだ。」 ---ナンシー・エトコフ「なぜ美人ばかりが得をするのか」P268 なんて本を読んで以来、生物学に少...
名言・名文

遺伝子は意思を持った意伝子なのか?

「人が美しいと感じるもの=遺伝子を残すのに最適」 を説く本を読み、 なんか遺伝子が過大評価されているような変な感じがあった。 リチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」が注目されてからかな。 遺伝子の...
日記と雑談

ブログ引っ越しから半年を振り返って

URLを変更してから半年。その後の記事を振り返りながらつれづれと。 未だに「なんで投資の話を書いてくれないの!」と苦情?のメール。 本人は「もうやめた」と宣言した割に書いてるなぁ、という実感なんだけど...
お薦めの本

ナンシー・エトコフ「なぜ美人ばかりが得をするのか」

邦題の安っぽさがもったいない。 原題は"Survival of tha Prettiest ― The Science of Beauty" 本書は副題の示すとおり「美の科学」がテーマ。 結論はごく単...
金融危機2007~?

大恐慌を見た経済学者11人はどう生きたか

ゴールデンウィークに本棚の整理をしてたらでてきた本。 読了日が2008年9月16日…って、リーマン・ショックの翌日じゃん(笑) ダウ平均だけで比べれば、今回の金融危機はたいしたことなかった。 世界大恐...
しあわせのかたち

涼やかにあきらめる人生へ

「あきらめる」とは「明らかに、見極めること」。 身の丈に合わない幸せを望んで思い悩んだ時期もあったけど、 文字通り「あきらめ」がついて、穏やかな日々が続いている。 過去でも未来でもなく、今この時に幸せ...
文化・思想に潜む「禅」

雪舟、芸術へ進化する禅の山水思想

日本の文化史は応仁の乱前後で切り分けて説明されることが多い。 枯山水庭園についてもまた同じ。 応仁の乱の前…池泉庭園の一局部としての枯山水。 応仁の乱の後…庭全体が枯山水として独立、そして確立。 と作...
お薦めの本

リヒャルト・ダーフィト・プレヒト「哲学オデュッセイ」

ドイツで出版され100万部のベストセラーとなった哲学エッセイ。 この本の素晴らしさは「間」(ま・あいだ・はざま)の立ち位置にある。 入門書と専門書の間 偉大な哲学者の書いた本はぜんぜん分からない。興味...
投資や経済の話題

大型商業施設の開業とGDP個人消費

お台場のダイバーシティ、渋谷のヒカリエ…、次々出現する大型商業施設。 景気も良くはないのに、こんなにたくさん作っちゃってどうかしてるよ。 去年オープンの二子玉はきっと渋谷に人をとられて…、あれ?混んで...
古典に学ぶ人生論

福を求める欲を捨てよ/夢窓国師の幸福論

仏教を学んだ足利直義(尊氏の弟)が「真の幸福とは何か?」と 禅僧・夢窓国師に教えを求めた問答を「夢中問答集」から編集。 仏の教えはなぜ幸福を求めることを抑えるのか?という直義の問いに、 「福を求むる欲...