奢侈禁止令が育んだ? 旬の食文化

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目に青葉 山ホトトギス 初鰹 (山口素堂)
鎌倉を 生きて出でけん 初鰹 (松尾芭蕉)

今は鰹(カツオ)が美味しい頃なんだっけ?
あいかわらず旬の食材がさっぱり分からない。
季節の恵みを味わうのが日本料理の特徴だというのに…。

そういえば「旬」という考え方はいつ頃定着したのだろう?
江戸幕府の財政難が明らかになった頃から乱発された、
奢侈禁止令」がきっかけだろうか。※奢侈=贅沢

旬よりも早く「初物」を食べることが「」。
そんな江戸っ子の見栄っ張りが度を超して初物の値段が高騰。
幕府の奢侈禁止令が出されるほど、エスカレートしていき、
1812年に水揚げされた初鰹は3両(約20万円?)で取引されたとか。
1842年には水野忠邦が出した初物売買禁止令なんてのもある。

初物には手を出さず、少し待って旬の時期になってから食べなさい、
と質素倹約を奨励した幕府の考えは正論だよね。
旬の食材は、

  • 大量に収穫、水揚げされるから安い
  • 栄養価が高い
  • もちろん味もいい

のだから。
でも、質素倹約の知恵が旬を味わうことなら、
豊かな今の時代に旬が分からなくなるのは仕方ない
のかな。

参考文献
小泉武夫「食と日本人の知恵」
宮崎正勝「知っておきたい食の日本史」

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