正法眼蔵

道元「正法眼蔵」

老いと向き合う禅/荘子「坐忘」、道元「身心脱落」

荘子を読み返していて、座禅の源流のような記述を見つけた。(大宗師篇 第七章) 顔回が師匠の孔子に「坐忘」を身につけたと報告する。 「肢体を堕ち、聡明をしりぞけ、形を離れ知を去りて、大通に同ず。此れを坐...
世界を読み解く方法

私たちの認識は幻想にすぎない/道元「正法眼蔵」山水経

とくに脈絡もなく久しぶりに道元の「正法眼蔵」を読み始めた。10年来、挫折と再読を繰り返し、解読できた部分をちぎってメモを残す。宝探しに出かけては、その断片を見つけて帰る、そんな古典だ。言葉が「枯山水」...
日本の歴史と文化

日本料理と正法眼蔵の「龍吟」

その名はよく耳にするが、まだ未開拓の日本料理の名店「龍吟」。最近は龍吟出身のシェフの店も名店として知られるようになり、スリオラ(スペイン料理)茶禅華(中華料理)ヒロヤ(フランス料理)ジャンルを超えた広...
道元「正法眼蔵」

道元の時間論/正法眼蔵・有時

今月のNHK「100分de名著」は道元の「正法眼蔵」。この番組でも「哲学書」として紹介されていたけど、「時」を哲学した書物としては世界最古と言えるかもしれない。※一般的には時を論じた哲学者といえば20...
道元「正法眼蔵」

私はどこに存在するのか?/正法眼蔵・相対性理論

私たち人間は約60兆個の細胞からできている。 そしてそのうち数千億個の細胞は1日の間に生まれ変わる。 細胞レベルでは絶えず更新されていく私たちのカラダ。 流れゆく細胞の中で「私」は「私」をどこで認識し...
道元「正法眼蔵」

無欲にして万物の妙を見る/道元「身心脱落」

無欲であれば万物の本質(妙)に迫ることができるが、欲があればその表面上の形(徼)に触れることしかできない。「常に欲無くして以て其の妙を観、常に欲有りて以て其の徼を観る。」老子の冒頭で語られた金言。お金...
日本の美意識

雪裏の梅花只一枝なり/道元「正法眼蔵」

前回、紹介した菅原道真の漢詩「月夜見梅花」から、ふと連環。道元の「正法眼蔵」には「梅華」と題した章がある。中国に禅を学びに行った際に耳にした、「瞿曇、眼晴を打失する時、雪裏の梅花只一枝なり。」(釈迦が...
道元「正法眼蔵」

道元の時間論/正法眼蔵・現成公案

投資を通じて一番ひっかかったのは、現在・過去・未来の捉え方。投資理論で主流の数学的な切り口では、満足できる答えは得られず、今は「時」「偶然」「運命」といった哲学の分野に答えを求めて旅してる。おそらく私...
道元「正法眼蔵」

生死の悩みから離れるために/道元「正法眼蔵」

枯山水から「禅」と遭遇し、道元の「正法眼蔵」と格闘中。とにかく長い。人はどうすれば生死の悩みから離れることができるのか?そんなことを論じた「生死」の巻が目にとまったので軽く紹介。道元は生死の悩みから離...
道元「正法眼蔵」

月に全宇宙を見た道元/正法眼蔵「都機」の巻

「諸月の円成すること、前三々のみにあらず、後三々のみにあらず。」ではじまる「正法眼蔵」の「都機」の巻。「つき」と読み、月のことだ。月が好きな私には、見逃せない巻なのだ。釈迦の「仏とは虚空であり、水中の...
日本の美意識

道元「正法眼蔵」と枯山水をつなぐ

枯山水の背景を追いかけたら、禅僧・夢窓国師の山水思想に行き着き、禅の歴史をさかのぼったら、道元の山水一如の精神があらわれた。そんな流れで道元が遺した大著「正法眼蔵」に手をつけてしまった。まずは表題にひ...