「諸月の円成すること、前三々のみにあらず、後三々のみにあらず。」
ではじまる「正法眼蔵」の「都機」の巻。「つき」と読み、月のことだ。
月が好きな私には、見逃せない巻なのだ。
釈迦の「仏とは虚空であり、水中の月である」という言葉にヒントをえて、
道元は月に全宇宙、森羅万象を見ようとしていたようだ。
「仏」と「森羅万象」と「月」が三位一体となるようなイメージかな。
「月にあらざれば心にあらず、心にあらざる月なし。」
「万象これ月光にして万象にあらず。このゆゑに光呑万象なり。」
月でなければ心でなく、心でなければ月ではない。
月の光が全宇宙を飲み込んでいるから、もはや宇宙は存在しない。
とてつもなく大きな話。
風流だけが月じゃない、ということを学んだのだった。
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