フライングの脳科学。人は何秒で反応できるか?

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織田一朗時計の科学を読んでいて、ふと気になる記述があった。

国際陸連がフライングの規定を「1000分の100秒」に設定した根拠は、生理学の古典的な論文の「人間が外的刺激を感知し、大脳が判断して、身体が反応するのに必要な時間は、最低1000分の140秒」との論拠でした。ところが、近年の研究によれば、人間は同じ刺激を繰り返していると、情報は大脳まで行かずに、小脳で反応して身体を動かすことができ、反応時間は短縮できることが分かったのです。

人間は訓練によって0.1秒よりも早く反応できるのでは?という議論だが、
数年前に読んだノーレットランダーシュユーザーイリュージョンでは、
神経生理学者ベンジャミン・リベットのこんな実験結果が紹介されていた。

  • 意識が生じるまでには0.5秒の脳活動が必要
  • 意識は時間的な繰り上げ調整を行い、0.5秒の誤差をごまかす

ノーレットランダーシュはこのリベットの仮説をもとに、
人の認識する世界は意識ではなく錯覚によって構築されたものだと説いていた。

人が直接体験するのは錯覚であり、・・・この錯覚こそが意識の核であり、解釈され、意味のある形で経験される世界だ。

でもトレーニングによって反応の時間を短縮できるのであれば、
やはり人には意識が存在するのではないだろうか。
フライングをめぐる脳科学をもう少し調べてみたらおもしろそう。

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