万葉集

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令和の宴会後、大伴旅人が詠んだ梅歌四首

現在の元号「令和」は、太宰府、大伴旅人の館で開かれた宴会の様子が描かれた、「万葉集」巻五「梅花歌三十二首ならびに序」の序文から取られたことは有名。梅の季節ということで、その梅の和歌32首に目を通してい...
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万葉集のかけ算九九遊び

かけ算の九九は、万葉集の時代にはすでに常識だったようだ。おもしろいのでいくつか用例をメモ。まずはこの時代を代表する歌人、柿本人麻呂の一首から。狩りに出かけた長皇子を讃えた歌の中で、十六社者 伊波比拝目...
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日本人の季節感は京都で生まれた?/森朝男「読みなおす日本の原風景」

日本人の季節感の形成について、おもしろい仮説に出会った。万葉集の巻十四は「東歌」という表題になっており、現在の東海・中部・関東地方で詠まれた歌を230首収録している。森朝男「読みなおす日本の原風景」に...
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もみじが「黄」から「紅」に変わる頃に/百人一首24「紅葉の錦 神のまにまに」

もみじの語源かつて日本人は無文字社会からの移行期の万葉仮名の時代、木の葉が色を変えることを「モミツ(毛美都)」と呼んでいた。それが「モミチ(毛美知)」と名詞化し、万葉集の時代になると、「黄葉」を「モミ...
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あおによし奈良の都の咲く花…そんな読み方もあるのか!

奈良を詠った万葉集の和歌。あをによし 奈良の都は 咲く花の にほうがごとく 今盛りなりここで詠まれている「花」は何の花を指しているのか?小野妹子のひ孫にあたる小野老(おののおゆ/生年不詳~737年頃)...
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白村江の戦い、壬申の乱を詠わない万葉集

手当たり次第に万葉集の関連図書を読んでいてふとした疑問。万葉集がカバーする年代の初期の大事件、白村江の戦い(663年) 壬申の乱(672年)にまつわる歌が一首しか見当たらないのはなぜだろう? 熟田津に...
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万葉人の桜/百人一首61「奈良の都の八重桜」

いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな藤原道長の娘で一条天皇の中宮・彰子に仕えた歌人の一首。奈良から宮中(九重)に献上された八重桜を愛でている。平安時代には京都では八重桜は珍しかっ...
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神の山になびく洗濯物?/百人一首2「天の香具山」

春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山持統天皇(645~702)の一首で、万葉集(巻1・28)に収録されている。この時代の都は現在の奈良県橿原市の藤原京にあり、そこから東に香具山、北に...
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万葉集、古今和歌集の星の和歌

そういえば子供の頃「欲しいものは何?」と聞かれると、 「星がたくさん見える空!」なんて答えていたっけ。 都会っ子ならではの感覚かもね。もしも地球が雲や霧に覆われた惑星だったら? 私たち人類は夜空を彩る...
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交差点、すなわち「ちまた」の万葉集

うまい表現ではないのだけど、「知」の交差点の中央を押さえに行くこと。それをイメージすることが重要だと思ってる。リベラルアーツの交差点がアイデアの源泉たくさん情報を出せば、良質な情報の交差点に立てる!古...
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坂道には神が宿る/山野勝「大江戸坂道探訪」

大江戸坂道探訪。著者は日本坂道学会の会長、山野勝氏。ちなみにこの学会2名で副会長はタモリさん。たくさん歩いた方が頭の回転が良くなる気がして、駅2つくらいの距離なら歩くことにしている。そんな時に出会った...
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フォーチュンクッキーの由来は古代の言霊信仰

無文字社会の時代が長かった古代の日本では、口から発する言葉に霊力が宿ると考えられていた。言霊とはいったいどういうものだったのか?言霊信仰/古事記を読む・4 古事記については以前まとめたとおり、自分の名...
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絶滅危機のうなぎ。万葉以来の食文化が消える?!

ニホンウナギが絶滅危惧種となり、うな重の消滅へまっしぐら。なぜこんなことになってしまったのか?塚本勝巳「ニホンウナギとともに生きる」 リンク先は昨年開催されたシンポジウムの講演動画。ウナギ絶滅の原因は...
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秋の味覚「きのこ」の日本文化史

日本でマツタケが食べられるようになったのは、以下のような経緯があると田家康氏は説明する。東大寺建立には7万本のスギ・ヒノキが使われたように、木造建築のための大規模な森林伐採 スギ・ヒノキ林の後にアカマ...
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月の語源/時を司る月の神

月の語源は「時」から来ている、なんて話を読んだ。「ツキ」と「トキ」。うーん…(笑)"Moon"の語源"motion"や"move"には近いか?そういえば万葉集の中に(985)、古事記にも登場する月の神...
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日本の伝統食「あゆ」は釣り占いの魚

今年も鮎(あゆ)を食べなかったな。鮎は弥生時代頃から、日本人が好んで食した魚。奈良時代の古典から「鮎」にちなんだ話題をいくつか。古事記(712年)では神功皇后が朝鮮遠征の帰り道に、佐賀県・玉島川のほと...
日本の美意識

まほろば・うるはし・うまし/古代人の日本観

暑さゆえに移住の話をすると「どこの国へ?」と聞かれる。私は日本より良い国はなんかあるわけない!と思ってるけど、(とくに「食」の面で→ミシュランガイドの星の推移や国際比較)世間一般にはどんよりした空気が...
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柿本人麻呂の和歌で詠む七夕の心

織姫と彦星の七夕にまつわる星の伝説。 万葉集の時代には、すでに日本人の心をつかんでいて、 とくに10巻には98首もの七夕の和歌が並んでいる。 その中から柿本人麻呂が詠んだものをいくつか。夕星も 通ふ天...
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万葉集に描かれた食文化(海の幸)

最近、万葉集を読み始めた。古今和歌集以降の和歌は月、恋、桜を中心に展開するけど、万葉集は4,500首近く収録されることもあり、その情景もさまざま。ここでは当時の食文化(海の幸)に関連しそうな和歌を編集...
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万葉集、ツクヨミ(月読)の和歌

古事記では黄泉の国から逃げ帰ったイザナギノカミが、 川で禊をした際に3人の子供が生まれる場面が描かれる。アマテラスオオミカミ(天照大神) ツクヨミノミコト(月読命) スサノオノミコト(須佐ノ男命) こ...