食材には食べ頃、古典には読み頃

「読書の秋」というには、どうにも暑すぎるんだけど、
近く読書について話をする機会があるから頭の整理中。

が私の持論だけど、20代の人たちのこの薦め方でいいのか?
食材に食べ頃があるように、古典には読み頃があるような…。

たとえば、鴨長明の「方丈記」のように、
天災記録としての価値ゆえに、読み頃が訪れる場合もある。
でも「生き方の指針となるような1冊」としての古典の読み頃は、
人によって早かったり、遅かったりタイミングは様々だろう。

私の場合、お金にこだわりすぎた20代を終えてすぐ、
ふいに心をつかまれたのが、兼好法師の「徒然草」だったし、

西行の和歌の美しさが分かるようになったのは、
日本文化に触れはじめた頃、恋が通りすぎていったから。

人生を揺るがすような体験が古典を自分の物にしてくれる
だから、ただ古典を読みあさるだけではダメなんだ。
色彩豊かな人生が古典の読み頃を引き寄せる、ってことだ。