古今集

古今和歌集

古今和歌集の見事な編集術。その裏にはよみ人しらずの陰謀?

未知の情報が世にあふれると、いかにその情報を編集し、知を体系づけたくなるのが、私たち人間の性なのだろうか。ルネサンス期のヨーロッパでは、宗教的な抑圧から解放された知 東ローマ帝国滅亡で流入した古代ギリ...
日本の美意識

十六夜の月はためらいながら夜空へ

中秋の名月を前に月の古典をいろいろ調べていたら、満月の翌日の十六夜にまつわる認識がおもしろかった。十六夜は「いざよい」と読む。これにまつわる目に止まった古典を2つ引用すると。まずは源氏物語の夕顔より。...
古今和歌集

紀貫之の桜歌/古今和歌集より10首

桜の季節が迫ってくると、 西行「山家集」春の章より桜歌10首 兼好の桜観/徒然草137、139、161段 枕草子に舞う桜/清少納言の桜観といった記事にアクセスが集中する。歌人や作者に絞った桜を眺めるの...
古今和歌集

人生すべて恋のごとし。古今和歌集の編者が込めた想い。

昨年後半、哲学や社会学を探究する中で、古代日本には哲学というものは存在しなかったが、その代わりに、恋を通して世界を読み解こうとしていた。私の中でそんな結論に達している。恋をすると世界が違って見えるわけ...
万葉集

万葉集、古今和歌集の星の和歌

そういえば子供の頃「欲しいものは何?」と聞かれると、 「星がたくさん見える空!」なんて答えていたっけ。 都会っ子ならではの感覚かもね。もしも地球が雲や霧に覆われた惑星だったら? 私たち人類は夜空を彩る...
古今和歌集

雪を見立てる古今和歌集、雪の白さを愛でる新古今和歌集。

古今和歌集(905年)と新古今和歌集(1205年)。この300年で大きく変わったのは冬の美の再発見。雪の和歌を比べるとその変化が見てとれる。古今和歌集では紀貫之の雪を花に見立てた歌や雪降れば 冬ごもり...
古今和歌集

散る紅葉が冬にずれ込む新古今和歌集

秋は紅葉の季節。温暖化で2050年の京都の紅葉の見頃はクリスマス頃?なんて予測もあるそうだが、そのつながりで気になること。平安時代の後期1000~1200年頃の京都は暑く、冬に池にはった氷を採取し、山...
古今和歌集

紅葉の和歌といえば/百人一首17「ちはやぶる…」

紅葉の時期が近づいてきた。東京でもほんのり色付きはじめた木も見かける。紅葉の和歌といえば真っ先に思い浮かぶのが、百人一首に収録される在原業平の一首。ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水...
古今和歌集

日本人だから聞こえる虫の声。欧米人には雑音。

涼しくなるにつれて、虫の声が耳に入ってくる。あれ松虫が 鳴いているちんちろ ちんちろ ちんちろりんあれ鈴虫も鳴き出したりんりんりんりん りーん りん秋の夜長を鳴きとおすあ~ おもしろい 虫の声♪虫の声...
日本の美意識

中秋の名月を詠わない古今集。月が不吉な竹取物語。

西行(1118~90年)は詠んだ中秋の名月の和歌。 西行、中秋の名月を詠う(山家集)日本ではいつ頃から中秋の名月を愛でていたのか?「古今和歌集」(905年)の秋の巻を開いてみて、あれ?中秋の名月を詠っ...
古今和歌集

日本独自の思想や哲学の原点にあたる古典は?

読者の方から質問いただきました。「日本独自の思想や哲学の原点にあたる古典は何ですか?」ムム…「独自の」という部分が結構ムズカシイ。海外に目を向けると思想や哲学を書き表した古典は、 中国では老子や孔子 ...
古今和歌集

ホトトギス。この世とあの世をつなぐ鳥。

ホトトギスって漢字にするとなんか変だよね。不如帰、杜鵑、時鳥、子規、杜宇、蜀魂などなど。なんでこんなたくさんあるのかな?と少し調べてみた。不如帰、杜宇、蜀魂については中国の伝説に基づくようだ。古蜀の王...
日本の美意識

恋をすると世界が違って見えるわけ/ルーマン「情熱としての愛」

日本が哲学に目覚めた時期が遅いのはなんでだろう?西洋では古代ギリシア、中国では戦国春秋時代だけど、日本は空海(774~835)あたりでようやくはじまる感じ。おそらく日本では長らく無文字社会が続いたこと...
日本の美意識

古今和歌集・よみ人しらずの恋歌

詩の歴史上、他国にはない日本の和歌の特徴は、時代の権力者やその栄華を讃えた歌がほとんどない わずか31文字に、ありったけの想いを込める 恋歌の多さが尋常ではなく、僧侶までが恋を歌う があげられ、とりわ...
古今和歌集

「君が代」は古今和歌集の和歌

古今和歌集に収録される歌の約4割が作者不明。長い年月、多くの人々に歌い継がれるうちに、最初は誰が詠んだのか分からなくなってしまった。そんな歌が「よみ人しらず」の和歌として残されている。実は現在の国家「...
日本の美意識

古今和歌集・よみ人しらずの四季の歌

古今和歌集に収められている1100首の和歌のうち、約4割が作者不明の「よみ人しらず」となっている。作者不明と言われると、名歌ではないような気もするけど、「よみ人しらず」に込められた正しい意味合いは、「...
日本の美意識

古今和歌集の桜歌

古今和歌集の桜歌を気ままに編集。 まずこの時代の代表的な桜歌といえば在原業平(古今集53)の世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし桜が散ってしまう事へのドキドキ感を表した名歌。 ち...
日本の美意識

和歌の連鎖で物語る・古今和歌集の編集術

「編集」に着目すると勅撰和歌集はすごい。たとえば古今和歌集939-942の4首のかたまりが深い。一首目は小野小町、残りはよみ人知らずによる和歌。 あはれてふ ことこそうたて 世の中を 思ひ離れぬ ほだ...
日本の美意識

夢とうつつの古今和歌集…あいまいな日本の原点?

西洋的な善悪二元論の考え方との比較から、自虐ネタとしてさらされる日本の「あいまいさ」。でも私たちが金融危機やフクシマで痛感したことと言えば…。現代社会の脅威は、あからさまな悪意を持つものではなく、善意...
古今和歌集

夢の歌人、小野小町/古今和歌集・恋歌の編集術

夢に迫るべく、フロイトやユングを読まなきゃと思いつつ、 いや夢なら明恵上人だ、などと考えながら少しも進まず…。 とりあえず小野小町の和歌でもまとめてみよう。古今和歌集に小町の歌は18首あるが、そのうち...