ホトトギスって漢字にするとなんか変だよね。
不如帰、杜鵑、時鳥、子規、杜宇、蜀魂などなど。
なんでこんなたくさんあるのかな?と少し調べてみた。
不如帰、杜宇、蜀魂については中国の伝説に基づくようだ。
古蜀の王様だった杜宇が王の座を追われ、失意の内に死亡。
その魂が鳥となり「不如帰(帰るにしかず)」と鳴いている。
そんな中国の伝説に影響を受けたホトトギス像が、
古今和歌集の中にも見られる。
ほととぎす けさ鳴く声に おどろけば
君を別れし 時にぞありける
亡き友の命日の頃、ホトトギスの声を聞いて驚いた、
という紀貫之が詠んだ一首(849)。
ホトトギスはこの世とあの世を往き来する鳥
とみなされていた、ってことだね。
似たような和歌がもう一首。
なき人の 宿にかよはば ほととぎす
かけて音にのみ なくと告げなむ
亡くなった人の家に行くのなら、
私があなたのことを思って泣き続けていると伝えて欲しい。
とホトトギスにお願いした、よみ人しらずの一首(855)。
ホトトギスというと信長・秀吉・家康の性格判断が定番だけど、
日本文化の中ではこんな鳴き方もしていたんだね。
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