世界を理解するために、3つ目の論点を見つけたい。

私たちは世界を読み解こうとするときは、
「陰陽」をはじめとして2つの論点で迫ろうとすることが多い。

でも3つ目の論点を見つけて相互矛盾を探っていった方が、
より世界の本質に迫れるのでは?となんとなく思った。

経済の話に偏ってしまうが、その代表的な例を書き留めておこう。

ロバート・マンデル「国際金融のトリレンマ」

次の3つの金融政策を同時に実現することができない。

  • 自由な資本移動
  • 独立した金融政策
  • 為替相場の安定(固定相場制)

多くの国は自由な資本移動と中央銀行による金融政策の2つを採り、
その代わりに為替相場の安定は諦めている。
日本もこれに該当するが為替介入で為替相場の安定を図ることもある。

EUでは資本移動と単一通貨による事実上の固定相場の2つを採り、
代わりにEU諸国は独自の金融政策を採ることができない。
その結果リーマン・ショック後のギリシャ危機などが勃発。

中国は海外との資本移動を制限することで金融政策と固定相場を採用。
ただし近年、為替介入による固定相場の維持が限界に近づいている。

ダニ・ロドリック「グローバリゼーション・パラドクス」(2012年)

民主主義とグローバル市場の間の緊張を解決する方法として、

  1. 国際的な取引費用を最小化する代わりに民主主義を制限して、グローバル経済が時々生み出す経済的・社会的な損害には無視を決め込む。
  2. グローバリゼーションを制限して、民主主義的な正統性の確立を願う。
  3. 国家主権を犠牲にしてグローバル民主主義に向かう。

の3つの選択肢があると説き、

これはすなわち次の3つのうち、
同時に実現できるのは2つまでという話になる。

  • 民主主義(個人の自由)
  • 国家主権(国家の自立)
  • グローバリゼーション(国際的な経済統合)

ダニエル・ベル「資本主義の文化的矛盾」(1976年)

資本主義の経済原理を問題にしているのではない。
本来は政治・経済・文化は三位一体だったが、
資本主義の進展によって、

  • 政治が「公正」を追求すること
  • 経済が「効率」を追求すること
  • 文化が「自己実現」を追求すること

の間に相互矛盾が生じ、社会的な緊張につながっていると指摘。

ベトナム戦争が終了した頃のアメリカで書かれた本だが、
現代にあてはめても、しっくりくるところがすごい。

経済が効率よく利益をあげることを追求し、
それによって生まれる裕福と貧乏の差を、
政治が修正しようとしてもどうにもうまくいかない。

文化的な豊かさが金銭的な豊かさであるならば実現していると言えるが、
それに伴うストレスで、豊かなのに幸福感の乏しい社会になっている。
本来の自己実現とは一体なんだったのか?