いかに学ぶか?/「論語」為政第二・述而第七・泰伯第八

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論語は読み始めると止まらなくなる。
そしてテーマごとに編集したくなる。

孔子は「学び」についてどう説いていたのか?

ごく簡潔にまとめるなら四字熟語にもなっている「温故知新」。
語源となった一節は、

子曰く、故きを温ねて新しきを知る、以って師と為るべし。(為政第二の十一)

過去をよく学び、その上で新しい知識を身につけられたなら、
人から師と仰がれる立場になれるだろう。

孔子の時代から見た過去とはいつのことかは少し疑問だが、
表現を変えて同じように説いた一節もあるため、
歴史や古典に学ぶことの大切さを孔子が重視していたことが分かる。

子曰く、述べて作らず、信じて古を好む。(述而第七の一)

やみくもに新しいものを作ることより大事なことがある。
古典の優れた言葉を受け継ぎ、発展させていくことが大事だ。

後に日本の茶道や剣道で重視された「守破離」にも似ているだろうか。
既存の型を守り、型を破って外に出て、型を離れて新たな型を生む。

新しいものを生み出したければ、まずは古典や師匠に学ぶべきだ。

学んで思わざれば則ち罔(くら)し。思うて学ばざれば則ち殆(あやう)し。(為政第二の十五)

いくら学んでも自分の頭で考えなければ意味がない。
だからといって自分だけで思索にふけり、学ばなければ独断に陥って危険だ。

自分に欠けているのは、外から学ぶ姿勢なのか、
はたまた自分で考える姿勢なのか、常に顧みるようにしたい。

最後に学ぶ姿勢について。

子曰く、学は及ばざるが如くするも、なおこれを失わんことを恐る。(泰伯第八の十七)

学ぶことは決して手の届かないものを追いかけるようなもの。
少しでも気が緩めば、学んだことを忘れてしまうのではと恐れている。

人生には限りがあるが、学ぶことには限りはない。
永遠に生きると思って学び続けることが大切なのだろう。

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