「自愛」の原義は? 老子からアイシナモロールまで

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通りがかりにサンリオのイベントを覗いてみた。

2023年にデビューしたシナモロールの新ブランド「I.CINNAMOROLL」(アイシナモロール)は、人の目より自分自身を大事にして、カラダとココロを大切にする“ご自愛”マインドを持ったちょっぴり大人なキャラクターです。

どうやら「ご自愛」がキーワードのキャラクターのようだ。
(自分のこと、もっと「愛しな」で「アイシナ」モロールなんだとか)

最近「自愛」という言葉の使われ方が変わってきたように思う。
本来はどういう意味だっけ?と探ってみると、
思いがけず、老子に行き着いた。

自知不自見、自愛不自貴(老子・第72章)

「是故聖人、自知不自見、自愛不自貴。故去彼取此。(ここを以って聖人は、自ら知りて自ら見ず、自ら愛しんで自ら貴しとせず。故に、彼れを去てて此れを取る。)」

  • 自分を深く理解していても、しゃしゃり出ない(自知不自見)
  • 自分という存在を肯定的に捉えても、名声を得ようとしない(自愛不自貴)

つまり老子の「自愛」は、自己肯定感を持ちつつも、
自らを客観視し、常に謙虚な姿勢を忘れないように、
というような文脈で用いられている。

手紙の末尾「ご自愛ください」

自愛で真っ先に思いつくのは、手紙の末尾に記される、

「時節柄ご自愛ください」

この使われ方はは思ったよりも歴史が古く、
11世紀中頃の「明衡往来」(手紙の文例集)に用例があるという。

その意味合いは今も当時と変わらず「身体を大切に」と、
他者の身体を思いやる表現だった。

現在の「自愛」

しかし現在の「自愛」の使われ方は、
「自分にご褒美をあげる」「自分を甘やかす」という意味合いで、
他者より自分」「身体より心」が重視されているように思う。

アイシナモロールもこの路線だろう。
国語辞典の解説もそのうち変わるのだろうか。

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