エマニュエル・トッドへのインタビュー記事等を収録した、
「トッド人類史入門」(2023年3月出版)。
トッドの集大成とも言われる「我々はどこから来て、今どこにいるのか?」
を読む前の解説書として良いとのことで手にとってみた。
佐藤優氏との対談の中で、ふたりが口を揃えて、
2022年10年のヴァルダイ会議のプーチン演説は必読!
と強調していたので、動画を探してみたらあった。
以前にもプーチン演説に目を通したことがあるが、
欧米で正しいとされる思想への反論としてごく真っ当。
講演者の名を伏せ、偏見なしで文章のみを読んだなら、
私たちは何を正義と捉えるのだろうか? 善悪の境界はあるのか?
というような自問自答をする良い機会になりそうだ。
ちなみにこの演説はウクライナ侵攻から8ヶ月後に行われたもの。
そのことも頭に入れつつ演説の内容から目に止まった内容をメモ。
全体的な印象としては、ロシアが目指す国際的な立ち位置は、
「反自由主義と多様性の擁護を標榜する保守」
ということなのかな。
西側諸国への疑問
- 今、権力を持つ者、グローバルな権力者が、一切のルールなしに何をやっても許される世の中は間違っていないか?
- 西側諸国は自らの優位性から、自身の絶対的な正しさへの確信しすぎてはいないか?
リベラルイデオロギーの変質
- 従来の言論・行動の自由を尊重する立場から、開かれた社会には敵がおり、その敵の自由は制限し、排除すべきという考えに陥っていないか?
- いかなる代替的な視点も破壊的なプロパガンダであり、民主主義への脅威であると捉えていないか?
- 各国の伝統的な価値観すら否定しようとする新自由主義的な価値観は間違っている。個々の社会の伝統、文化、歴史的経験から生まれる価値観を尊重すべき。
多極的な世界秩序の必要性
- 西側諸国のグローバル化モデルは、金融と技術の独占、あらゆる種類の差異の消去の上に構築されてきた。この一極的な世界秩序モデルは、自分たちの優位性を維持するためのものではないか?
- すべての文明、国家にとって、独自の発展の道筋が開かれている多極的な世界秩序を模索すべき。進歩とは、押し付けられるように皆が同じ方向へ進むことではない。
- 現在のドルのような単一の基軸通貨を使用しない、新たな国際金融プラットフォームの形成を目指すべき。




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